Arasenblog Witten by Ryuichi Arai

いじめの原因は大人

いじめ

 国の基本方針「いじめ防止対策推進法制定の意義」には、次のように書かれています。

「大人社会のパワーハラスメントやセクシャルハラスメントなどといった社会問題も、いじめと同じ地平で起こる。いじめの問題への対応力は、我が国の教育力と国民の成熟度の指標であり、子どもが接するメディアやインターネットを含め、他人の弱みを笑いものにしたり、暴力を肯定していると受け取られるような行為を許容したり、異質な他者を差別したりといった大人の振る舞いが、子どもに影響を与えるという指標がある。

 いじめから一人でも多くの子を救うためには、子どもを取り囲む大人一人一人が、「いじめは絶対に許されない」、「いじめは卑怯な行為である」、「いじめはどの子どもにも、どの学校でも、起こりうる」との意識を持ち、それぞれの役割と責任を自覚しなければならず、いじめ問題は、心豊かで安全・安心な社会をいかにしてつくるかという、学校を含めた社会全体に関する国民的な課題である」

 冒頭部分で、大人の振る舞いが子どもに影響を与えることを示唆しています。

 少し前の話になりますが、テレビを見ていると「運動神経悪い芸人ワースト決定戦」という番組が放送されていました。少し変な動きで走る人を見ながら、大人が手を叩いて笑っている。そんな映像が流れていました。

 きっと多くの子どもたちも、この番組を見ていたでしょう。「これに影響されて、明日、学校で同じような光景が繰り返されるだろう」と、私は胸が痛くなりました。

 そんな思いをツイッターに書き込むと、すぐさま次のような返信がありました。

 「おまえみたいな奴が居るから、テレビがつまらなくなるんだよなぁ〜。いちいちそんなの気にしてどうする。なら見なきゃいい話」

 「じゃあ見るな。どうせお前だって、おもしろいと思って見てるんだろ?」

 日本全体が、いじめに対して甘いのではないでしょうか。マスコミを見ていても、本当にひどい「いじめ体質」があるように思います。人の不幸をあざ笑う体質。それが野放しになっており、毒が社会全体を覆っているように感じるのです。

 ある人が言いました。

 「いじめに苦しんで自殺した人はいますが、いじめたことを苦にして自殺した人はいません」

 加害者側は、それだけ軽い気持ちでいじめをしているのです。

 親の思考が子どもに影響を与える場合もあります。

 以前、こんな発言をする親がいました。

 「私の子はいじめられていない。いじめている側のようだから安心です」

 いじめている方だから安心……こんな親から、いじめ加害者が生まれます。

 また、こんな話も聞いたこともあります。

 体に障害をもつ子が、いじめられていました。でも、そのいじめを発見した教師は、真剣には注意しなかったそうです。

 なぜなのか? その教師は、

 「あの子は社会に出たらいじめられる。だから強くなっておかなければ」

と言ったのです。

 その話を聞いて、私は「バカ野郎!」と叫びました。学校は「いじめは絶対にいけない」と教えるところなのです。こんな教師に教えられた子どもは不幸です。