Arasenblog Witten by Ryuichi Arai

いじめ体験談① エジプトの考古学者・吉村作治さん

いじめ

 今、さまざまな分野で大活躍している人の中には、昔、いじめられていた人がたくさんいます。藤原和博氏は著書「本を読む人だけが手にするもの」の中で、エジプトの考古学者・吉村作治さんのエピソードを紹介しています。

「『吉村先生は、小学校、中学校時代はどんな子どもだったのですか?』『私は、ものすごく、いじめられっ子だったんだよね』いまのあの恰幅からは信じられないが、休み時間に教室に居場所がなく、いつも図書館に逃げていたという。そのときに出合ったのが『ツタンカーメン王の秘密』(講談社)という本だった。それが面白くて面白くて、本の世界に入り込むことでいじめられていることも忘れていたそうだ。結局、それが世界的に著名なひとりのエジプト考古学者を育てることになった。一冊の本が、いじめられっ子を助けることもある」

 吉村さんは、いじめから逃げる1ステップ目の「個人で避ける」選択をし、休み時間に図書室へ逃げ込みました。ガマンして友達と関わろうとするのではなく、あえて距離を置こうとしたのです。そこから吉村さんは、図書館で本を読むという方法で新しい情報に触れ、人生を変える一冊に出会ったのです。  その後、吉村さんはプロトレ期間を経て、世界的に有名な考古学者になりました。いじめっ子よりも数段上のステージに登ったわけです。