Arasenblog Witten by Ryuichi Arai

学校が性的マイノリティを守る

LGBT

 性的マイノリティが安心して過ごせるために、学校に求められることについて5点、お伝えします。

  1. 性同一性障害に係る取組の経緯
  2. 教職員が正しい知識を身につける
  3. 児童生徒に正しい知識を理解させる
  4. 児童生徒が相談しやすい環境を整える
  5. もし、性的マイノリティの児童生徒がいたら

性同一性障害に係る取組の経緯

 1点目は「性同一性障害に係る取組の経緯」です。

 平成15年に「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の成立を皮切りに、平成22年、26年、27年と、文部科学省より調査、通知がなされました。

 学校における性同一性障害に係る児童生徒への対応が求められています。

教職員が正しい知識を身につける

 2点目は、教職員が性的マイノリティの正しい知識を身につける、ということです。

 文部科学省が作成した研修資料等を活用して研修していく必要があると考えています。

児童生徒に正しい知識を理解させる

 3点目は、児童生徒に性的マイノリティの正しい知識を理解させる、ということです。

 何より大切なことは、日頃から「性的マイノリティ」の正しい知識を発信することが大切です。

児童生徒が相談しやすい環境を整える

こんな先生だったら相談できそう

 4点目は児童生徒が相談しやすい環境を整えることです。

 LGBTの子どもがカミングアウトのタイミングは一人一人違いますが、「この先生だったら相談できそう」と思える先生がいるだけで、その子どもは学校生活を送りやすくなると考えます。

 LGBTに関する資料の中から、いくつか紹介させていただきます。

 まず「こんな先生だったら相談できそう」についてです。「話にくさを理解した上で、丁寧に話を聞いてくれる先生」「LGBTをからかう発言や差別する発言をしない・許さない先生」「LGBTについて理解していることを発信してくれる先生」

 例えば、関連する本を教室に置いている。レインボーカラーを身につけている等とありました。このレインボーカラーについては後で説明させていただきます。

カミングアウトを受けたときの6カ条

 次に「カミングアウトを受けたときの6か条」についてです。

①最後まできちんと聞く ②セクシュアリティを決めつけない ③「話してくれてありがとう」を伝える ④「どうして伝えてくれたのか」「何に困っているのか」を聞く ⑤「誰かに話しているか」「誰に話してもいいか」を確認する ⑥つながれるための情報を伝える、つながるです。

 先生が唯一相談できる大人になる可能性が高い存在です。

もし、性的マイノリティの児童生徒がいたら

 5点目は「もし、性的マイノリティの児童生徒がいたら」についてです。文科省通知で対応が明確に示されています。

 ここでは代表的なものを5つ紹介させていただきます。

学校における支援体制

 学校における支援体制では、特定の教師が抱え込まず組織「サポートチーム」で対応がすることが基本になります。性的マイノリティにかかる調査については、教育上の観点から必要はありません。

医療機関との連携

 医療機関との連携については、専門的知見を得る重要な機会になりますが、当該児童生徒と保護者の意向を踏まえることが原則になります。

学校生活の各場面での支援

 学校生活の各場面での支援については、「学校における支援の事例」がいくつか示されています。

 また、「他の児童生徒への配慮と均衡をとりながら支援すること」「その時々の児童生徒の状況等に応じた支援すること」が示されています。

卒業証明書等の訂正発行

 卒業証明書等の発行を求められた場合は、戸籍を確認の上、当該者が不利益を被らないよう適切に対応することが示されています。ただし指導要録の変更は想定していないことも示されています。

当該児童生徒の保護者との関係

 最後に「当該児童生徒の保護者との関係について」も示されています。

 保護者の「性的マイノリティの受容」は時間がかかることがあり、可能な支援を行っていくことが示されています。