画竜点睛 今日から使えることわざ講座 No.208
「画竜点睛」の「ズバリの意味」「由来」「使い方」などを、ことわざの達人あらせんがわかりやすく解説します。
読み方
がりょうてんせい
ズバリの意味
最後に一番重要な部分の仕上げをすること。物事の一番大切なところ。
あらせんより
- 昔、梁の国に張僧繇という人がいました。優れた画家で、壁に森の絵を描いたところ、その壁の下にたくさんの鳥が死んでいたといいます。鳥は壁に描かれた森が本物と思って飛んできて、壁にぶつかって死んでしまったんですね。それほどまでにリアルな上手な絵を描く画家だったんです。
- ある時、張僧繇は、金陵(今の南京)の安楽寺という寺の壁に四匹の竜の絵を描きました。それは素晴らしい出来栄えだった。
- 「まるで生きているようだ」「素晴らしい!!」「まさに宝だ」
- 人々は口々に感嘆の声をあげました。しかし、よく見ると、四匹の竜の目には睛が描き入れてなかったのです。
- 「竜の目に睛が入っていませんが、どうしたんですか?」
- 「もしかして、描き忘れてたんですか」
- 人々は張僧繇に質問をしました。
- 「いや、これでいいんだよ。睛を入れたら、竜は壁から飛び出して天に昇ってしまいますから」
- 張僧繇は笑って答えました。
- 人々は「まさか」「嘘でしょ」「そんなことあるかいな」と。
- 人々は信じることができず、とにかく竜に睛を入れて欲しいと頼みました。
- しかたなく、張僧繇は筆をとって、一匹の竜の目に睛を入れました。すると雷鳴がとどろき、稲妻が走ったかと思うと、竜は壁を突き破って飛び出し、雲をつかんで天に昇って行ってしまったんです。
- 睛を入れていない竜は、そのまま壁に残っていたといいます。
- と、こんな話が元になった故事成語です。
- ちなみに、「睛」を「晴」と書かないように注意です。
- ということで、画竜点睛とは、大事な仕上げのことですが、あらせんは最後のつめが甘い、なんてよく言われてきましたが、画竜点睛を欠くことがないように最後の最後まで丁寧に仕上げる生き方をしていきたいと思っています。
使い方
- 勇輔、ちょっとこの案を読んで、アドバイスちょうだい。
- うん、この案はよく練られているけど、残された最後の課題をちゃんとやり終えないと、「画竜点睛を欠く」ということになりかねませんね。最後が大事ですよ。
- ちゃんちゃん
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【参考文献】
・小学生おもしろ学習シリーズ まんがことわざ大辞典 西東社
・やばいことわざ 監修 齋藤孝 アスコム
・小学生のまんが ことわざ辞典 改訂版 金田一春彦監修 金田一秀穂監修 学研
・小学生のためのことわざをおぼえる辞典 川嶋優編集 五味太郎絵 旺文社
・深谷圭助先生のまんが国語事典 まんがことわざ事典 金の星社
・世界のことわざ比較辞典 日本ことわざ文化学会 岩波書店
・わざわざことわざ事典 国松俊英 童心社