笛吹けど踊らず 今日から使えることわざ講座 No.175
「笛吹けど踊らず」の「ズバリの意味」「由来」「使い方」などを、ことわざの達人あらせんがわかりやすく解説します。
読み方
ふえふけどおどらず
ズバリの意味
人に何かさせようとしていろいろ働きかけても、相手がそれに応じないたとえ。
豆知識
- いくら笛を吹いても、誰も踊り出さない意から。
- 「新約聖書」にある言葉から。
- 英語は We have piped unto you, and you have not danced.
あらせんより
- 笛を吹いて、太鼓をたたいて、楽しい雰囲気を作った。さあ、みんなで踊ろうよ!!と誘っているのに、誰も踊ろうとしない・・・。
- そこから、人に何かさせようとして、いろいろ働きかけているのに、こたえて動き出そうとする人が、誰もいないことを「笛吹けど踊らず」というようになったのです。
- ことわざの元になったのは、聖書にあるキリストの言葉です。新約聖書・マタイ伝の第11章17節に出てきます。
- ある時、洗礼者のヨハネは、ユダヤの荒野で神の国の話をし、洗礼を授けていました。
- しかし、ヨハネがいくら一所懸命に話をしても、耳を傾ける人はいませんでした。
- ずっと後で、この時のことを嘆いていたキリストは、こう言った。
- 「今の時代を何に比べようか。それは子供たちが広場に座って、他の子供たちに呼びかけ、『私たちが笛を吹いたのに、あなたたちは踊らなかった。とむらいの歌を歌ったのに、あなたたちの胸をうってくれなかった』というのに似ている」
- この言葉が元になっていることわざなんです。
- あらせんが、このことわざについて思うことは「命令一つで人は動かない」ということです。
- 笛を吹くとは、指示・命令だと思います。では指示・命令が通るためにはどうすればいいのか?
- 指示や命令が通る組織は、何よりも「信頼関係」が強固であると思います。また「何のために指示しているのか」「何のためにする行動なのか」が明確であれば、人は納得して行動を始めると思うのです。(さらに、あと8つは考えないといけないと思っていますが、ここではやめておきます。)
- 人を動かす上で大切なことは「子供を動かす法則(向山洋一著)」っていう本が参考になると思います。紹介でした。
使い方
- 監督さんが「さあ、やるぞ!」って選手に声をかけてるのに、選手の反応が悪いね。
- ホンマやな。まさに笛吹けど踊らずやん。
- ちゃんちゃん
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【参考文献】
・小学生おもしろ学習シリーズ まんがことわざ大辞典 西東社
・やばいことわざ 監修 齋藤孝 アスコム
・小学生のまんが ことわざ辞典 改訂版 金田一春彦監修 金田一秀穂監修 学研
・小学生のためのことわざをおぼえる辞典 川嶋優編集 五味太郎絵 旺文社
・深谷圭助先生のまんが国語事典 まんがことわざ事典 金の星社
・世界のことわざ比較辞典 日本ことわざ文化学会 岩波書店
・わざわざことわざ事典 国松俊英 童心社