一挙両得 今日から使えることわざ講座 No.186
「一挙両得」の「ズバリの意味」「由来」「使い方」などを、ことわざの達人あらせんがわかりやすく解説します。
読み方
いっきょりょうとく
ズバリの意味
一つのことをして、同時に二つの利益を得ること。
豆知識
- 参考:「一挙」は一回おこなうこと。「両得」は二つの物を得ること。
- 類句:一石二鳥
- 英語例:to kill two flies with a single swat (ひと叩きで二匹の蝿を殺す)
あらせんより
- 「挙」は、何かをやることです。そして「得」は、手に入れることです。
- つまり、一つのことをやるだけで、二つの良い成果を得ることです。
- 始めほしかったもののほかに、もう一つ、良いものを手に入れることです。
- 一年前からジョギングを始めました。頑張って続けていたら、体は痩せて引き締まり、風邪も引かなくなりました。「一挙両得」だ!!と、このように使います。
- この四字熟語は中国の話が伝わっています。
- 古代の中国でのことです。韓と魏という国が戦争を始めました。そばにある秦の国では、家臣が意見を戦わせていました。ある者は、魏に味方すると言いました。家臣の意見を聞いていた恵王は、こんな話をしました。
- ある時、二人の男が狩りに出かけました。草原で2頭の虎が争っていました。虎たちは、一匹の獲物を自分のものにしようと争っていタノです。
- 「虎のどちらかを狙って、すぐにやっつけてしまいましょう」
- 一人が武器を構えると、もう一人がこう言いました。
- 「おいおい待て。慌てるな。2頭の虎はどちらも相手を倒そうと、がむしゃらで戦っている。今にどちらかがやられて死んでしまう。一頭が死んでから、傷ついたもう一頭を殺せば、2頭の虎を楽々倒せることになるよ」
- 「なるほど。じゃあ、ここでじっくり待とう」
- 二人は、まんまと2頭の虎を手に入れることができました。
- 恵王は、戦も同じだと言いました。「争っている韓と魏は、必ず一方は負け、もう一方は弱る。その時に攻めていけばいい。」
- こうして秦の恵王は、どちらにも味方せず、なんなく二国を滅ぼしてしまったのです。
- しかし、一挙両得といっても、実は難しいことですよね。
- よほど、良い方法でやらなければ、欲張って、下手なことをやると、二つの利益どころか、大きな災いが降りかかってきてしまいます。
- あらせんは、一挙両得については、常に意識しています。最近思っていることは、何かに挑戦することは、二つに止まらず、3つ4つ5つと得を得ることができるということです。
使い方
- のぞみ、ダイエットのために水泳を習い出したのよ。
- 今日子、そうなの。楽しいうえにダイエットにもなるから、水泳って一挙両得やなぁ。
- ちゃんちゃん
YouTubeでことわざを解説しています
Discordで交流しませんか?
ことわざに興味がある人と交流したいと思い、discord(コミュニケーションツール)で「CryptoKotowaza(ことわざ広場)」を開設しました。気軽にのぞいてみてください。→ https://discord.gg/jRsZ8hS5t7
【参考文献】
・小学生おもしろ学習シリーズ まんがことわざ大辞典 西東社
・やばいことわざ 監修 齋藤孝 アスコム
・小学生のまんが ことわざ辞典 改訂版 金田一春彦監修 金田一秀穂監修 学研
・小学生のためのことわざをおぼえる辞典 川嶋優編集 五味太郎絵 旺文社
・深谷圭助先生のまんが国語事典 まんがことわざ事典 金の星社
・世界のことわざ比較辞典 日本ことわざ文化学会 岩波書店
・わざわざことわざ事典 国松俊英 童心社