食指が動く 今日から使えることわざ講座 No.217
「食指が動く」の「ズバリの意味」「由来」「使い方」などを、ことわざの達人あらせんがわかりやすく解説します。
読み方
しょくしがうごく
ズバリの意味
食べたいという気が起こること。またあることがしたくなること。
あらせんより
- 「食指が動く」とは、中国の昔の話が元になった故事成語です。今からその話を紹介します。
- 中国の春秋時代の話です。子公と子家という貴族が、鄭の国の国王、霊公にあうために、宮殿に入ろうとしていました。
- すると、子公の食指(人差し指)が動いたのです。子公は次のように言います。「こういう時はいつもごちそうにありつけるのだ」と。
- そして宮殿に入ったところ、料理人が、大きなすっぽんを料理しているのが見えたのです。
- まさに予言通りでした。ちゃんちゃん。
- このような故事から「食指が動く」と言われているのですが、実は続きの話も中国の本には書かれています。
- 料理人が、すっぽん料理をしているのを見た子公と子家が、
- 「ほら、いった通りやろ」「ほんまや」と、二人して笑っていると、鄭の国の国王、霊公が「何を笑っているのじゃ」と尋ねたんです。
- すると、子家が「実は子公の食指が・・・」と霊公にわけを話しました。
- やがて、すっぽん料理が出来上がり、霊公は、子公以外のお客さんに、すっぽん料理を振舞いましたが、「子公の予言を台無しにしてしまおう」と、子公には、すっぽん料理を振る舞わなかったのです。
- 子公は悔しがります。そして子公はどうしたかというと、すっぽんの鍋に指を突っ込んで、スープをなめて、「ああ、美味しかった」と笑ったのです。
- これで予言通りになったわけですね。
- 霊公は「無礼な奴め。殺してやる」と周りに言いまくります。
- その霊公の発言を聞いた子公は、子家とともに、霊公を暗殺してしまいました。こんな恐ろしい話が続きでした。
- 食べ物の恨みは恐ろしいですね。
使い方
- 社長、A社からすごい案件の話があったそうですね。
- そうだ。大きな取り引きの話に食指が動いたが、心配なことがあるので、結局見送ることにしたよ。
- ちゃんちゃん
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【参考文献】
・小学生おもしろ学習シリーズ まんがことわざ大辞典 西東社
・やばいことわざ 監修 齋藤孝 アスコム
・小学生のまんが ことわざ辞典 改訂版 金田一春彦監修 金田一秀穂監修 学研
・小学生のためのことわざをおぼえる辞典 川嶋優編集 五味太郎絵 旺文社
・深谷圭助先生のまんが国語事典 まんがことわざ事典 金の星社
・世界のことわざ比較辞典 日本ことわざ文化学会 岩波書店
・わざわざことわざ事典 国松俊英 童心社