朝三暮四 今日から使えることわざ講座 No.198
「朝三暮四」の「ズバリの意味」「由来」「使い方」などを、ことわざの達人あらせんがわかりやすく解説します。
読み方
ちょうさんぼし
ズバリの意味
口先でうまくだますこと。また、目先のことにとらわれて、結果が同じであるのに気づかないこと。
あらせんより
- このことわざには、次のような話がもとになっているんです。
- 昔、中国に宋という国があり、狙公という人がいました。その狙公は家にたくさんの猿を飼っていたんです。
- 狙公は猿が大好きで、家族の食べ物を減らしてでも、猿に餌を与えるほどだったといいます。
- しかし、猿の数がどんどん増えていき、ついには、狙公の家は貧しくなってしまいます。
- いよいよ猿の食料を減らすことになりました。そして狙公は猿たちに次のように言ったのです。、
- 「君たちにやるドングリをこれからは、朝は三つ、夕には四つにしようと思うのだがどうだ?」
- 猿たちは、牙をむいて怒り出します。朝に三つではお腹がすくというのです。
- そこで狙公は、こう言い直します。
- 「朝は四つにしよう。いいね。そして夕は三つにする。いいね。」
- 朝の数が四つになって、猿は機嫌をなおし納得したのです。
- みなさん、お気づきの通り、どちらでも、猿が1日にもらえるどんぐりは同じなんです。でも、狙公がたくみに言い方を変えたので、猿はドングリが増えたと思って満足したのです。
- このことわざは、二つの意味に使われます。
- 一つ目は、目の前の違いにばかり気を取られて、結局は同じなのに気がつかないことを言います。猿たちは、狙公の言い方が変わっただけなのに、ドングリの数が増えたと思ったのです。
- 二つ目は、知恵のある者が、愚かな者をだまして、バカにすることを言います。狙公はたくみに言い方を変えて、猿をごまかしたのです。
- もう一つ例を出します。
- ある会社の従業員たちが社長に、「給料をもっと高くして欲しい」と頼んできました。その勢いに社長は負け、しぶしぶ給料をあげることにしました。従業員たちは大喜び。
- しかし、社長は、次の日から休み時間を短くすると言い出します。従業員たちは給料が上がったんだから納得します。
- 給料は上がりましたが、働く時間は、前よりも長くなったのです。
- もうお分かりでしょう。実は給料は上がっていないことになるのです。
- こんな感じで、口先でうまくだますこと。また、目先のことにとらわれて、結果が同じであるのに気づかないことを「朝三暮四」と言います。
使い方
- だまされた・・・。トホホ。
- のぞみ、どうしたん?
- あまりにもうまい話だったわ。今考えると朝三暮四で、みごとにだまされてしまったわ。
- ちゃんちゃん
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【参考文献】
・小学生おもしろ学習シリーズ まんがことわざ大辞典 西東社
・やばいことわざ 監修 齋藤孝 アスコム
・小学生のまんが ことわざ辞典 改訂版 金田一春彦監修 金田一秀穂監修 学研
・小学生のためのことわざをおぼえる辞典 川嶋優編集 五味太郎絵 旺文社
・深谷圭助先生のまんが国語事典 まんがことわざ事典 金の星社
・世界のことわざ比較辞典 日本ことわざ文化学会 岩波書店
・わざわざことわざ事典 国松俊英 童心社