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一刻千金 今日から使えることわざ講座 No.187

今日から使えることわざ講座

「一刻千金」の「ズバリの意味」「由来」「使い方」などを、ことわざの達人あらせんがわかりやすく解説します。「今日から使えることわざ講座」をポッドキャストやstand.fmなどで毎日配信しています。あらせんのクスッと笑える「ことわざショートコント」で1日をスタートさせてくださいね。

ズバリの意味

貴重な時や楽しい時が、過ぎ去りやすいことを惜しんでいうことば。

豆知識

  • 「一刻」はわずかな時間。「千金」は千両・大金。ほんのわずかな時間が千両にも値する意から。
  • 用例:あの何ものにも代えがたい、一刻千金のいのちの感覚を、すべて夢だとされてはたまらなかった。(横光利一「旅愁」)

あらせんより

  • 「一刻」は中国の時間で約15分のことです。「千金」はとてもたくさんのお金のことをいいます。だから「一刻千金」とは、ほんのわずかな時間が、大切な価値をもつという意味です。
  • 楽しい時間や大切な時間というのはあっという間に過ぎてしまい、とても短いものに感じられます。そんな時間を惜しんでいったことばです。
  • このことばは、古い中国の詩人である蘇軾(そしょく)の、次のような「春夜(しゅんや)」という詩からでてきたんです。
  • 詩の始めの部分を紹介しましょう。
  • 「春宵一刻 値千金 花に清香あり 月に陰あり」
  • 春の夜の時間というのは、千金に値する素晴らしいものです。あまく、すがすがしい花の香りが、夜の空気の中をただよい、空の月はかすんでいる。さっきまで、建物から聞こえていた歌声と、笛の音はやみ、今は静かになった。中庭の隅にブランコがあり、夜は静かにふけていく。
  • ここで昔の時間のはかり方を紹介します。
  • 昔の中国では、昼と夜を100刻に分けて、時間をはかっていました。24時間を100に分けるから、一刻は14分24秒になります。
  • その分け方は、日本にも伝わって、奈良時代から平安時代のはじめまで、1日を100刻としていました。その後、昼と夜を48刻に分けるようになりました。
  • そして、四刻を一区切りにして、1日を十二支であらわすようになったのです。子・牛・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の十二支です。
  • 夜中の十二時が子の刻で、昼の十二時が午の刻になります。
  • 今でも、正午とは、午前とか、午後と呼ぶのは、十二支で表していた時代のなごりなんです。
  • あらせんが、このことわざを思うとき、大学院時代を思い出します。41歳の時に、大学院で2年間学ぶ機会を得ることができたのです。あの時間は本当に貴重でした。2年目は、「ああ、どんどん時間が過ぎていく。時間よ止まれ!」なんて思ったものです。大人になってから、どっぷり勉強だけできる時間を得たのです。こんな幸せなことはありませんでした。

使い方

  • 亮介、ここで学べることは本当に貴重やな。
  • ほんまやで。一刻千金やわ。ああ、どんどん時間が過ぎていくのがもったいないなぁ。
  • ちゃんちゃん

【参考文献】

・小学生おもしろ学習シリーズ まんがことわざ大辞典 西東社

・やばいことわざ 監修 齋藤孝 アスコム

・小学生のまんが ことわざ辞典 改訂版 金田一春彦監修 金田一秀穂監修 学研

・小学生のためのことわざをおぼえる辞典 川嶋優編集 五味太郎絵 旺文社

・深谷圭助先生のまんが国語事典 まんがことわざ事典 金の星社

・世界のことわざ比較辞典 日本ことわざ文化学会 岩波書店

・わざわざことわざ事典 国松俊英 童心社