呉越同舟 今日から使えることわざ講座 No.215
「呉越同舟」の「ズバリの意味」「由来」「使い方」などを、ことわざの達人あらせんがわかりやすく解説します。
読み方
ごえつどうしゅう
ズバリの意味
仲の悪い者同士が、同じ場所に居合わせるたとえ。また、そういう者たちがやむを得ず協力しあうことのたとえ。
豆知識
英語例:While the thunder lasted, two bad men were friends. (雷が続いている間は二人の悪人は友人だ)
あらせんより
- 呉越同舟とは故事成語です。昔のお話が元になってできた言葉です。では今からそのお話を紹介します。
- 昔、長江の下流に呉と越という国がありました。
- この二つの国は隣同士で、互いに領土を広げようと長い間、争っていました。しかし、力は同じくらいだったので、勝ったり負けたりを繰り返していたのです。
- このため、呉の人と越の人は、敵同士として憎みあっていました。
- ある時、この呉の国の人と越の国の人が、偶然、一つの舟に乗り合わせてしまいました。
- もちろん、互いにそっぽを向いて、口一つ聞こうとしません。舟は風を受けて帆をふくらませて、すべるように進んでいきました。
- ところが、川のなかほどまで進んだとき、急に風の向きが代わり、しかも激しく吹き付けてきました。そのため舟は大きく揺れて、今にもひっくり返りそうになりました。
- 船頭たちも必死になって帆をたたもうとしましたが、なかなかうまくいきません。
- すると、呉の人たちと越の人たちが立ち上がって、船頭たちの手をかして帆をおろし、水をかき出したのです。
- 「もう少しや」「がんばろう」
- 呉と越の人たちは、声をかけ合い、励まし合いながら、懸命に働き続けたのです。
- その甲斐あって、舟は転覆を免れ、やがて風もやんで、無事に向こう岸へ到着することができました。
- これが「呉越同舟」の言葉の元になった話です。
- どんなに仲が悪くても、命の危険が迫れば、互いに助け合って、危険に立ち向かう。人間の真理を教えてくれる故事成語です。覚えておきましょう。
使い方
- えっ!あの二人って、与党と野党の党首じゃない。
- ほんまや。与党と野党の党首が、同じ飛行機に乗り合わせるなんて、まさに呉越同舟やなぁ。
- ちゃんちゃん
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【参考文献】
・小学生おもしろ学習シリーズ まんがことわざ大辞典 西東社
・やばいことわざ 監修 齋藤孝 アスコム
・小学生のまんが ことわざ辞典 改訂版 金田一春彦監修 金田一秀穂監修 学研
・小学生のためのことわざをおぼえる辞典 川嶋優編集 五味太郎絵 旺文社
・深谷圭助先生のまんが国語事典 まんがことわざ事典 金の星社
・世界のことわざ比較辞典 日本ことわざ文化学会 岩波書店
・わざわざことわざ事典 国松俊英 童心社