Arasenblog Witten by Ryuichi Arai

遠隔教育で子どもを救う

いじめ

 私はこのブログのなかで、「もし学校の先生や大人に相談してもいじめが止まらなければ、命をかけてまで学校にいかなくていい」と主張しています。

 そんな意見を言うと、次のような指摘をする大人がたくさんいます。

 「自宅学習だけでは、子ども同士のコミュニケーションを学べない」

 でも考えてもみてください。コミュニケーションを学ぶ方法が、「いじめ」では、あまりにも過酷すぎるでしょう。

 いまこそ、学校しか勉強できない環境を変えるべきなのです。

 現在の日本では、学校に通う以外の手段がほとんどありません。

 フリースクールやホーム・ベースト・エデュケーション(家庭中心の学習)をはじめ、民間で活動している団体も増えつつあります。しかし、まだまだ多様な教育のあり方は発展途上です。

 最新の技術を使えば、スマホやタブレットを用いて、学校の授業を視聴することも十分可能です。さらに高速通信網ができれば、3D化した先生の授業を家で受ける、といったことも可能になるでしょう。

 つまり、その気になれば学校以外でも学習させることが可能なのです。

 新型コロナウイルス感染症拡大防止の取組の中で、いよいよ文科省が、遠隔教育の取り組みを積極的に発信し始めました。遠隔教育とは、教室から離れた場所にいる子どもが、先生の授業を生中継で見ながら質問もできる仕組みのことです。

 実は文科省は、すでに2015年から離島や過疎地での合同授業ができるように、遠隔教育の実施を認めていました。しかし、病気やケガで欠席が続く小・中学生については、遠隔教育を受けても出席扱いにしていなかったのです。

 ところが2018年9月、文科省が方針を変えました。病気やケガで長期入院、自宅療養をしている小・中学生が、テレビ会議システムなどを使って遠隔教育を受けた場合も「出席扱い」とすることを認めたのです。これでスムーズな復学につながるだろう、と文科省も期待しているようです。

 現在、遠隔教育を認める流れは加速度を増しています。

 2018年度の調査では、日本には不登校生が14万4千人以上います。いじめは54万件以上発生しており、それによって登校しづらくなっている子どもが多発している状況です。

 そういった子どもたちに、満足な学習支援ができているのでしょうか? 自信をもって答えられる教育者は少ないでしょう。

 さまざまな理由で学校に行けなくなった子どもに対し、ていねいな学習支援をしていくためにも、今こそ遠隔教育を進める時なのです。