いじめとけんかの違いを言えますか?
あなたは「いじめとけんかの違い」を言えますか?
いじめとけんかは、ともに子どもの間でトラブルが起こっている状態を言いますが、その違いは、
・いじめは力関係に差がある
・けんかは力関係に差がない
ということ。ここでいう「力」とは、相手に与える影響力のことです。
次の例をご覧ください。
【けんか】
・人数や立場が同じ
・やったり、やられたりの立場がすぐに入れかわる
・両方が傷つく
・腹が立ったり、悲しかったりするが、感情は長く続かない
・けんかをやめるか、続けるかを、両方が決めることができる
【いじめ】
・人数や立場が同じではない
・体力・腕力などに差があり、いつもやられる側が決まっている
・いじめている方は傷つかないが、いじめられている方は傷つく
・腹が立ったり、悲しかったりする感情が長く続く
・いじめをやめるかどうかを決めることができるのは、いじめている側だけで、いじめられている側には決定権がない
(参考「子どもとまなぶ いじめ・暴力克服プログラム 武田さち子著 合同出版」)
いかがでしょうか?
けんかは両者の力関係が同じなので、もしトラブルが起こっても、両者ともに傷ついたり腹を立てたりする感情は長く続きません。
一方いじめは、両者の力関係に差があるので、被害者にとって大きな心身の苦痛が生じるのです。
とはいえ、両者の力関係に差があるかどうかを判断するのは難しいでしょう。
国の基本方針には、いじめかどうか判断する際の注意点について、次にように示されています。
「けんかやふざけ合いであっても、見えない所で被害が発生している場合もあるため、背景にある事情の調査を行い、子どもの感じる被害性に着目し、いじめに該当するか否かを判断するものとする」
けんかのように見えるが、よく調べてみると「いじめ」だった。そんなことも多々あります。けんかを認知した際も組織的に聴き取りをおこない、背景にある事情を調べる必要があるのです。
つまり、いじめとは、
・力関係に差がある状態の中で、
・強い者が弱い者に対し、心理的および身体的な影響を与えている ことをいうのです。