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石に漱ぎ流れに枕す 今日から使えることわざ講座 No.241

今日から使えることわざ講座

「石に漱ぎ流れに枕す」の「ズバリの意味」「由来」「使い方」などを、ことわざの達人あらせんがわかりやすく解説します。

読み方

いしにくちすすぎ ながれにまくらす

ズバリの意味

負け惜しみが強いこと。自分が間違っていても、無理に理屈をつけて正当化しようとすること。「漱石枕流」ともいう。

あらせんより

  • 「石に漱ぎ流れに枕す」とは故事成語です。昔の話がもとになってできた言葉です。その元になった話を紹介します。
  • 昔の中国の話です。晋という国の孫楚という人が、「石に枕し、流れに漱ぐ」(人里はなれたところで気ままに暮らすという意味)と言わなければいけないのに、うっかり「石に漱ぎ、流れに枕す」と反対に言ってしまったのです。
  • 正しくは、「石を枕にして、川の流れで口をすすぐ」なのに、間違って、「石で口をすすぎ、川の流れを枕にする」と言ってしまったのです。
  • ところが、負け惜しみが強い孫楚は、間違えてしまいまいたとは言わず、つぎのようにこじつけて正当化しようとしたんです。
  • 「石で口をすすぐのは歯をよく磨くため」「流れ枕にするのは汚いことを聞いた耳をきれいにするため」と言ったのです。まさにこじつけて逃れようとしたのです。
  • 石で口をすすぐって痛いですよね。川の流れを枕にするなんて無理ですよね。
  • 実は、この負け惜しみが面白いって思った人が、あの夏目漱石さんです。「吾輩は猫である」「坊ちゃん」などのたくさんの小説を書いた明治時代の大作家です。
  • この負け惜しみが面白いって思った漱石は、ギャグみたいにして「負け惜しみ男」「こじつけ男」と自分をちゃかして、ペンネームを「漱石」としたのです。
  • なんと漱石は「石に漱ぎ流れに枕す」という故事成語からとったんですね。

使い方

  • 勇輔くん、どうしたん?
  • さっきの彼の主張を聞いてた?彼の無理な主張は、まさに石に漱ぎ流れに枕すという感じやわ。
  • ちゃんちゃん

 

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【参考文献】

・小学生おもしろ学習シリーズ まんがことわざ大辞典 西東社

・やばいことわざ 監修 齋藤孝 アスコム

・小学生のまんが ことわざ辞典 改訂版 金田一春彦監修 金田一秀穂監修 学研

・小学生のためのことわざをおぼえる辞典 川嶋優編集 五味太郎絵 旺文社

・深谷圭助先生のまんが国語事典 まんがことわざ事典 金の星社

・世界のことわざ比較辞典 日本ことわざ文化学会 岩波書店

・わざわざことわざ事典 国松俊英 童心社

・こども故事成語 齋藤孝 草思社