ミイラ取りがミイラになる 今日から使えることわざ講座 No.178
「ミイラ取りがミイラになる」の「ズバリの意味」「由来」「使い方」などを、ことわざの達人あらせんがわかりやすく解説します。
読み方
みいらとりがみいらになる
ズバリの意味
相手を説得するものが、逆に説得されてしまうたとえ
似たことわざ
- (日本)
- 人捕る亀が人に捕られる
- 鉄砲玉の使い(行ったきりで戻らないこと)
- (外国)
- 捕らえる者が捕らえられ(古典ギリシャ語)
- 羊の毛を刈りに行って頭を刈られて帰る人もいる(ドイツ)
- 狩にゆく者が狩られる(トルコ)
- 処刑する者が首を吊られる(ハンガリー)
あらせんより
- ミイラを取りにいった人が、目的を果たせずに、自分も死んでミイラになってしまった。
- そこから、帰ってこない人を連れ戻しに行った人が、自分もそこにとどまってしまって、帰ってこないことをいうようになりました。
- また、相手を説得しようとした人が、かえって相手と同じ考えになってしまう、という意味にもなります。
- 「ミイラ」って知っていますか?
- 乾燥したまま、長い間元の形を保った死体のことです。
- 死体の水分が50%以下になるとできます。高い温度で乾燥した場所とか、風通しのいい場所の死体は、ミイラになりやすいのです。
- 古代エジプトでは、人工的にミイラを作りました。王様などが死んで三千年たつと、その霊魂が肉体に戻ってきて、復活すると信じられてきたのです。だから死んだ王様を必ずミイラにしたのです。死者が旅をしている間も、王様らしく生活するため、王族や家来はもちろんのこと、愛犬までミイラにしたんだそうです。
- 中世から18世紀のヨーロッパでは、このミイラが、医薬品としてもてはやされたそうです。ミイラを砕いて粉にしたものを、怪我をした人や病気の人に飲ませると、とても効き目があるといわれたんです。(実は医薬品としての効き目はないことは明らか)。
- ミイラを見つけて手に入れると、たくさんお金が儲かる。だからミイラ取りに行った人がたくさんいたのです。例えば、エジプトでは、ピラミッドの奥まで入り、そのまま戻れなかった人がたくさんいたそうです。日本でも墓の深い穴に入り込んで、出られずに死んだ人が多かったそうです。
- ことわざは、そんなところから生まれたと思われます。
- あらせんは、よく「ミイラ取りがミイラになる」ことはあります。相手を説得しようと話を始めたところ、相手の話を聞いていると、「相手の方がいいなあ」なんて思って、考えを相手の考えに変える、なんてことは多々ありました。
- 良いことをどんどん取り入れるあらせんでした。
使い方
- お母さん、うなだれてるけど、どうしたん?
- 犬を飼うのをあきらめさせようと思ってお父さんに説得を頼んだのに。ミイラ取りがミイラになって、子どもと一緒にペットショップに出かけてしまったわ・・・。トホホ。
- ちゃんちゃん
Twitterで使い方を発信しています
父と母が喧嘩。父に謝るように言ったが、
— 荒井 隆一(あらせん) (@PassionArasen) December 8, 2021
話を聞くと父の方が正しいと思った。
「#ミイラ取りがミイラになる だね」
と母がつぶやいた。
ちゃんちゃん。
【意味】相手を説得するものが、逆に説得されてしまうたとえ#ことわざ #諺 #教養 #今日の積み上げ
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【参考文献】
・小学生おもしろ学習シリーズ まんがことわざ大辞典 西東社
・やばいことわざ 監修 齋藤孝 アスコム
・小学生のまんが ことわざ辞典 改訂版 金田一春彦監修 金田一秀穂監修 学研
・小学生のためのことわざをおぼえる辞典 川嶋優編集 五味太郎絵 旺文社
・深谷圭助先生のまんが国語事典 まんがことわざ事典 金の星社
・世界のことわざ比較辞典 日本ことわざ文化学会 岩波書店
・わざわざことわざ事典 国松俊英 童心社