物言えば唇寒し秋の風 今日から使えることわざ講座 No.159
「物言えば唇寒し秋の風」の「ズバリの意味」「由来」「使い方」などを、ことわざの達人あらせんがわかりやすく解説します。
読み方
ものいえばくちびるさむしあきのかぜ
ズバリの意味
不用意に人の悪口を言ったりして、自分に災いがふりかかること。
豆知識
- 松尾芭蕉の句。本来の意味は、人の悪口を言ったあとは、むなしい気持ちになるということ。
- 類句:口は禍の門
- 英語例:Few words are best.(寡言が最高)
あらせんより
- 人の欠点をいった後は、体の中を秋風が吹くように、なんとなくさびしくなってくル。そして自分で自分が嫌になるということです。
- また、人の悪口をいうと、そのために人からうらまれ、軽蔑されて、悪いことをまねくことになる、という意味です。
- ことわざのもとは俳句です。作者はあの有名な俳人、松尾芭蕉です。
- たくさんの優れた俳句を残した方です。
- 「古池やかわず飛びこむ水の音」や「荒海や佐渡によこたふ天の河」などが有名です。
- 芭蕉は、伊賀国上野(現在の三重県上野市)に生まれ、若い頃から俳句を勉強していました。
- 芭蕉が生活の中で戒めとしたのは「人の短所をいってはいけない。そして自分の長所を自慢するな」ということでした。
- それなのに、ある時、芭蕉は、つい人の短所を言ってしまいました。言った後で、もの悲しくなり、自分が嫌になりました。「物言えば唇寒し秋の風」には、芭蕉のそんな気持ちがよく現れているのです。
- 芭蕉は、旅を愛した人でした。そして、どんな旅をしたかを「奥の細道」の本に示しています。「荒海や佐渡によこたふ天の河」の句は、奥の細道の旅でできたものなんです。
- あらせんも数々の失言をしてきました。本当に人の悪口は言うものじゃないですね。なんの徳にもなりません。結局は自分に返ってくるのだと実感しています。
- 人の悪口を言う人は、人から悪口を言われている、賢い人から相手にされなくなります。距離を置かれてしまします。このことは間違いないと確信しています。
- 全部返ってくると思えば、人が喜ぶことをしましょうよ。自分に返ってくるのですから。
使い方
- ふーーー。あーーあ、今日も人の悪口や噂話ばっかり言ってしまったな。なんか、虚しいわ・・・、物言えば唇寒し秋の風やわ。
- ちゃんちゃん
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【参考文献】
・小学生おもしろ学習シリーズ まんがことわざ大辞典 西東社
・やばいことわざ 監修 齋藤孝 アスコム
・小学生のまんが ことわざ辞典 改訂版 金田一春彦監修 金田一秀穂監修 学研
・小学生のためのことわざをおぼえる辞典 川嶋優編集 五味太郎絵 旺文社
・深谷圭助先生のまんが国語事典 まんがことわざ事典 金の星社
・世界のことわざ比較辞典 日本ことわざ文化学会 岩波書店
・わざわざことわざ事典 国松俊英 童心社