三十六計逃げるに如かず 今日から使えることわざ講座 No.193
「三十六計逃げるに如かず」の「ズバリの意味」「由来」「使い方」などを、ことわざの達人あらせんがわかりやすく解説します。
読み方
さんじゅうろっけいにげるにしかず
ズバリの意味
数多い作戦の中でも、分が悪いときには逃げるのが最上の策だという中国の兵法書のことばから、困ったときには、そのことを避けるのが一番だということ。「三十六計」ともいう。
豆知識
- 兵法三十六種のうち、逃げるという計略に及ぶものはない意から。「三十六計走るを上計となす」ともいう。
- 類句:逃げるが勝ち
あらせんより
- 「三十六計」とは、古い中国の戦いのやり方のことです。
- 戦いは三十六種類の計略やはかりごと、駆け引きがあります。負けそうになったら、ぐずぐずせずに、ひとまず敵から逃げて、生き延びた方が良い。それから挽回する方法をじっくり練り直せば良い、という教えです。
- 「如かず」とは、「・・・が最も良い」とか「・・・にこしたことはない」という意味になります。
- そこから、毎日の生活の中でも、どうして良いかわからなくなった時や、面倒が起きた時には、逃げるのが一番良い、ということわざになったんです。
- ところで、「三十六」は、よく使われる数字なんです。
- 「三十六歌仙」は、優れた和歌を詠む人たち36人のことです。百人一首などで有名な柿本人麻呂、山部赤人、小野小町たちがいます。
- 「三十六俳仙」は、松尾芭蕉、榎本其角、向井去来などの、36人の優れた俳人のことです。
- 「三十六俵」とは、相撲の土俵のことをいいます。昭和のはじめごろまで土俵は、三十六この俵で作られていたから、こう言ったんです。
- 「富嶽三十六景」は、富士山を描いた有名な浮世絵ですよね。葛飾北斎の作品です。一枚目は江戸の日本橋から見た富士山。山梨県や静岡県からも富士山を見て描いているものです。
- というわけで、36という数字はよく使われています。
- 逃げるという選択は、命を守るために絶対に必要なことだと思います。
- あのナポレオンも戦いに臨むときは、必ず逃げ道を確保してから前に進んだそうです。
使い方
- 亮介、なんか嫌な予感がするねんな。
- 勇輔、危ないと思ったら、三十六計逃げるに如かずやで。無理して挑む必要はないで。行くのやめよう。
- ちゃんちゃん
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【参考文献】
・小学生おもしろ学習シリーズ まんがことわざ大辞典 西東社
・やばいことわざ 監修 齋藤孝 アスコム
・小学生のまんが ことわざ辞典 改訂版 金田一春彦監修 金田一秀穂監修 学研
・小学生のためのことわざをおぼえる辞典 川嶋優編集 五味太郎絵 旺文社
・深谷圭助先生のまんが国語事典 まんがことわざ事典 金の星社
・世界のことわざ比較辞典 日本ことわざ文化学会 岩波書店
・わざわざことわざ事典 国松俊英 童心社