四面楚歌 今日から使えることわざ講座 No.194
「四面楚歌」の「ズバリの意味」「由来」「使い方」などを、ことわざの達人あらせんがわかりやすく解説します。
読み方
しめんそか
ズバリの意味
周囲すべてが敵や反対する者ばかりで、助けてくれる者もなく孤立すること。
あらせんより
- 「四面」とは、四方の面で、まわりのことです。
- 「楚歌」とは、昔の中国の揚子江のほとりにあった楚の国の人が、歌った歌のことです。
- 「まわりが、みんな楚の国の歌を歌っている」ということで、まわりをみんな敵に囲まれてしまい、逃げられないことをいいます。
- また、周囲の人みんなに反対されて、誰にも味方がいないという意味にもなります。自分の意見に、誰一人賛成してくれない時に「まさに四面楚歌や」といって嘆く。
- もともとは中国の本「史記」に書かれていたことばなのです。
- 紀元前3世紀ごろ、漢の劉邦と楚の項羽は、天下を争っていたんです。
- 戦いは決着がつかず、二人は天下を二分するという協定を結んだのです。
- 長い戦いで、項羽の兵たちはとても疲れていました。東へ帰っていく項羽軍を突然、劉邦の軍が襲ってきました。不意打ちです。
- 項羽の楚の軍は、垓下というところで、劉邦の漢軍に囲まれました。
- 楚軍は、囲みを突破しようと何度も試みましたが失敗。兵もいなくなり、食料もわずかになりました。漢軍の兵は、周りを何重も取り囲んでいました。
- 漢軍では、夜になると、自分の国の兵たちに「楚」の歌を歌わせたのです。それを毎晩続けました。
- 楚軍の項羽は驚きます。周りから聞こえてくるのは、みな楚の歌です。「四面楚歌」です。その上、歌声は夜ごとに増えています。
- 項羽は頭を抱えます。「これはダメだ。楚の兵は、みんな漢軍に降伏してしまったに違いない。それで、毎晩、楚の歌がふえて聞こえてくるんだ」
- 漢軍の作戦は見事成功。楚軍の兵はつぎつぎに降伏。項羽はわずかな兵と逃げました。けれど逃げきれず、追い詰められて戦死しました。
- これが四面楚歌の話です。
- まさに絶体絶命。まわり全てが敵や反対する者ばかり。助けてくれる者もなく孤立。そんな最悪な場面を四面楚歌といいます。
- あらせんは、いじめの研究を長年続けてきましたが、そこでわかったことが、いじめをきっかけに大きな夢を掴んでいる人の共通点が「四面楚歌力」でした。
- つまり、「孤独な時期こそ、自分を飛躍させるチャンス」だということです。
- 詳しくは、あらせんのブログ「一人になる勇気、四面楚歌力を磨け!」
-
一人になる勇気、四面楚歌力を磨け!
- あらせんラジオ「四面楚歌力を磨こう」
- https://stand.fm/episodes/5f540b94c79bba1e3ab8f424
- をぜひ。
使い方
- 今日の体育委員会の話し合い、すごい逆転劇やったなぁ。
- ほんまや、委員会ではみんなが反対にまわり、一時は四面楚歌になったけど、辛抱強く話をしたら、ついに多数の賛成を得たわ。よかったわ。
- ちゃんちゃん
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【参考文献】
・小学生おもしろ学習シリーズ まんがことわざ大辞典 西東社
・やばいことわざ 監修 齋藤孝 アスコム
・小学生のまんが ことわざ辞典 改訂版 金田一春彦監修 金田一秀穂監修 学研
・小学生のためのことわざをおぼえる辞典 川嶋優編集 五味太郎絵 旺文社
・深谷圭助先生のまんが国語事典 まんがことわざ事典 金の星社
・世界のことわざ比較辞典 日本ことわざ文化学会 岩波書店
・わざわざことわざ事典 国松俊英 童心社