三田空襲の歴史を忘れない〜SUNPEACEの軌跡〜
1945年7月19日、兵庫県三田市で米軍機2機による機銃掃射があり、子ども4名と大人1名が犠牲となりました。
「悲惨な戦争の歴史を未来に伝える」「戦争のない世界をつくる」——その思いから、教育関係者・学生・アーティストが集まり、市民団体SUNPEACEを結成。2018年から今日まで、三田空襲の記憶継承と平和の学びを続けています。
目次
1. SUNPEACE 結成まで
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2004年:小学校教諭だった私は大向 勲先生と出会い、6年生の担任を担当。平和教育に情熱を注ぐ大向先生と共に、子どもたちと「平和劇」を制作・上演し、心に平和の砦を築く実践を積みました。
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2012年:6年生担任として取り組んだ平和イベントが評価され、**第63回 読売教育賞(生活・総合部門 最優秀賞)**を受賞。取組の詳細は「子ども100名が平和イベントを開催!〜子どもから大人へ戦争反対のメッセージ〜」。
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2018年春:2012年の誓いを実行できていなかった自分を省みて、大向先生に提案――「地元・三田市の空襲を未来の子どもたちに伝える取り組みを始めませんか」「郷の音ホールを満員にするイベントを」。この話し合いがSUNPEACE結成の日となりました(当初メンバーは大向先生と私の2名)。
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メンバー拡大:その後、ちめいど、当時学生のあらや新さん、地域活性化に尽力される梅澤豊和さん、佐藤等史さん、シンガーソングライターMICHIKOさんが参加。
2. 結成日に決めた2つのこと
結成日に決めたことが2つあります。
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三田空襲を伝えるイベントを開催すること
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空襲体験者のインタビュー動画を制作すること
この2点が、三田空襲の歴史を未来へ受け継ぐ上での柱と考えました。
イベント開催(1つ目の柱)
・PEACE RALLY(finalに向けてepisode1〜4を開催)
EP1:2018年9月23日
EP2:2018年10月21日
EP3:2018年11月18日
EP4:2018年12月16日(1〜4は三田市総合福祉保健センター)
FINAL:2018年12月30日(会場:三田市総合文化センター 郷の音ホール)
・第1回 三田空襲を聞く会:2025年6月28日(会場:三田市まちづくり協働センター)
・三田空襲 追体験ツアー:2025年7月19日 14:30(三輪小学校〜桑原付近)
・第2回 三田空襲を聞く会:2025年7月19日 17:00(会場:コミュニティスペース「こんびび」)
インタビュー制作(2つ目の柱) ※2018〜2024継続
・2018年8月19日:中嶋 宏次さん(当時・国民学校2年)
・2018年12月30日:中嶋 宏次さん(当時・国民学校2年)
・2020年7月19日:西浦 道雄さん(当時・国民学校4年)
・2021年7月19日:岸田 達男さん(当時・国民学校5年)
・2022年7月19日:志儀 喜代美さん(当時・国民学校3年)
・2023年7月17日:志儀 喜代美さん/中後 茂さん(当時・3年)/内田 昇さん(当時・3年)/脇田 孜さん(当時・4年)
・2024年7月13日:岸田 達男さん(当時・国民学校5年)
※このほか、「SUNPEACEの歌」制作、**平和音楽Live(ちめいど)**も実施。以下で各取組を紹介します。
3. 平和イベントの開催(詳細)
(1)「PEACE RALLY エピソード1」2018年9月23日
FINALに向けて仲間を募るキックオフ。参加30名。計画の発表、完成した劇台本の紹介、楽曲「PEACE」を発表。
(2)「PEACE RALLY エピソード2」2018年10月21日
学生劇団に焦点。結成経緯やFINALへの思いを一人ひとりが語り、最後は「PEACE」に合わせてダンスを披露。
(3)「PEACE RALLY エピソード3」2018年11月18日
ちめいどがスタジオ録音の様子を紹介し、音楽に込めた思いを語る。スペシャルゲスト・即興書家TADAさんも登場。
(4)「PEACE RALLY エピソード4」2018年12月16日
劇団員が劇の一部を会場で披露。迫真の演技で「空襲の追体験」を共有。最後はちめいどのライブで会場が一体に。
(5)「PEACE RALLY FINAL」2018年12月30日
会場:三田市総合文化センター 郷の音ホール。
兵庫県「県政150周年記念 県民連携事業」として開催、県・県教委・三田市・市教委・三田市遺族会後援、参加者352名で満席。
動画1 PEACERALLY FINAL1 劇「三田空襲を忘れない」
動画2 PEACERALLY FINAL2 中嶋宏次さんのトーク
動画3 PEACE RALLY FINAL3 ちめいどライブ
(6)「第1回 三田空襲を聞く会」2025年6月28日
終戦80年の節目に開催。約60名が参加。
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解説プレゼン:「忘れられた空襲〜三田空襲から学ぶ平和の尊さ〜」(荒井)
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聞き手:大向 勲/語り手:志儀 喜代美さん
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志儀さんより、国民学校時代の思い出、金属供出など戦中の暮らし、当日の米軍機目撃について証言。
(7)「三田空襲追体験ツアー」2025年7月19日
空襲からちょうど80年の日に開催。高校生・大学生ら15名が参加。
案内役は大向理事長(当初予定の中嶋 宏次さんは同年5月に逝去)。
参加者の声:「身近な場所で空襲があったことに怖さを感じた。戦争を知る人が少なくなる中、自分たちが知ることが大切だと思った。」
(8)「第2回 三田空襲を聞く会」2025年7月19日
会場:コミュニティスペース「こんびび」。市民ら約25名が参加。
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語り手:岸田 達男さん(当時・国民学校5年)――機銃掃射から逃げた話、戦争体験の伝承への思い。
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メッセージ:「戦争は人の心を変えてしまう。戦争体験に関心がない人が多いほど、戦争に踏み込んだとき立ち止まれない」。
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ほか:三田空襲の紹介(荒井)、兄弟デュオちめいどによる平和LIVE。
(9)「第3回 三田空襲を聞く会」2025年8月15日
YouTube配信で開催。スタジオは平瀬楽器さんが提供してくれました。
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三田空襲解説:荒井隆一理事
- 岡尾 富美さんのお話(体験者)/聞き手:大向 勲理事長
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北摂三田高等学校放送部の活動を紹介
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平和LIVE:ちめいど 雄介 & MICHIKO
4. 空襲体験者のインタビュー動画の制作
(1) 2018年8月19日 中嶋宏次さん(当時国民学校2年生)
1945年当日の場所や逃げ込んだ道を実際に歩きながら証言。
動画 三田空襲1945.7.19「体験者(中嶋宏次氏)と歩く三田空襲」
(2) 2018年12月30日 中嶋宏次さん(当時国民学校2年生)
PEACE RALLY FINALでのインタビュー。登校班での下校中に被射撃した場面、戦中の暮らし、未来の子どもたちへのメッセージ。
動画 PEACERALLY FINAL2 中嶋宏次さんのトーク
(3) 2020年7月19日 西浦道雄さん(当時国民学校4年生)
家屋焼失後の厳しい公民館生活、そして生き残った命を国際交流に捧げた歩み(約50回のホームステイ受け入れ)。
動画 SUNPEACE YouTubeライブ ゲスト 三田空襲体験者 西浦道雄さん 2020.7.19
(4) 2021年7月19日 岸田達男さん(当時国民学校5年生)
三田空襲時の様子、「高平地区に落ちた零戦」、戦時下の生活などを証言。
(5) 2022年7月19日 志儀喜代美さん(当時国民学校3年生)
戦時中の暮らし、7月19日の三田空襲当日の体験。
(6) 2023年7月17日 志儀喜代美さん(当時国民学校3年生)
・中後 茂さん(当時国民学校3年生)
・内田 昇さん(当時国民学校3年生)
・脇田 孜さん(当時国民学校4年生)
それぞれの体験場所を巡って証言。その後の座談会で、戦争の悲惨さと平和の尊さを語る。
(7) 2024年7月13日 岸田達男さん(当時国民学校5年生)
「三田小学校の当時の様子」「三田空襲時の様子」「戦時下の生活」等を再証言。
5. 歌「PEACE」を制作
PEACE RALLY FINAL(2018年12月30日)の合唱曲として、SUNPEACEが作詞、ちめいどが作曲。
2番は三田空襲の劇メンバーも参加して収録。
6. 平和音楽Liveを開催
SUNPEACEメンバーちめいどによる平和音楽Liveを複数回開催。
7. これからのSUNPEACE
出会った戦争体験者の方々が毎年のように亡くなられ、貴重な証言が失われつつあります。私たちには時間がありません。
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できる限り多くの体験者に出会い、文章と動画で記録を残す。
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学校・地域と連携した学習プログラムを継続する。
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三田空襲を映画として残すという目標に挑む。
大向理事長とともに、**「戦争のない世界の構築」**をめざして行動してまいります。
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