この記事の3行まとめ
- クラス全員と仲良くするのは、大人でもむずかしいことです。
- 気が合わない子とは、傷つけ合わずに少し距離をおく。これを「並存性」といいます。
- ひとりの時間は、自分をのばすチャンスにもなります。
「みんな仲良くしましょう」。学校で何度も聞いてきた言葉だと思います。
でも、本当にクラスの全員と仲良くできるでしょうか。大人の世界を見ても、だれとでも仲良くできる人は、ほとんどいません。気が合わない人がいるのは、あたりまえのことなのです。
「並存性」という考え方
社会学者の菅野仁さんは、著書『友だち幻想』の中で、クラス全員が気の合う仲間になるのは現実的にはむずかしい、と書いています。そして、気が合わない相手とは、おたがいに少し距離をおいて、同じ場所にいてもぶつからないようにする。それが大切だと述べています。この考え方を「並存性」といいます。
並存性は、相手を無視したり、いじわるをしたりすることではありません。「この子とは合わないな」と思ったら、むりに近づかず、傷つけ合わない距離をたもつ、ということです。
いじめてくるグループからは離れていい
わたしは、教師や教育委員会の仕事で、たくさんのいじめに関わってきました。そのときよく見たのが、いじめられている子が、いじめてくるグループからなかなか離れようとしない姿です。
「グループを離れたら、ひとりぼっちになってしまう」。そう思って、必死にしがみついていたのです。
でも、いじめてくる相手と、むりにつきあう必要はありません。いやなことをしてくる人は、友だちではありません。勇気を出して、離れてください。
ひとりになるのがこわいときは
ひとりになるのは、だれだってこわいものです。でも、ひとりの時間は、悪いことばかりではありません。
教育学者の齋藤孝さんは、まわりがみんな敵に見えるような、ひとりぼっちの時期をプラスに受け止める力を「四面楚歌力」と名づけています。ひとりの時間は、本や音楽、絵、スポーツなど、何かに集中して打ちこむのにぴったりの時間でもあるのです。
まわりの人が「あの子はひとりでいる」と言うかもしれません。言わせておきましょう。あなたは、前を向けばいいのです。
新しい居場所を見つけよう
いじめてくるグループを離れたら、新しい居場所をさがしてみましょう。
- 図書室や保健室など、学校の中の落ち着ける場所
- 習いごとや地域のクラブなど、学校の外のつながり
- 同じ趣味をもつ人が集まる場所
「好きなこと」でつながった仲間は、むりをしなくても自然と話がはずみます。好きなことの見つけ方は、ひとりの時間で「好きなこと」を見つける方法で紹介します。
いじめから離れる具体的な方法は、いじめから逃げる3つのステップを読んでみてください。
出典:荒井隆一『いじめ2.0』第1・8節、第1・9節、菅野仁『友だち幻想』(ちくまプリマー新書)、齋藤孝『友だちいないと不安だ症候群に効く授業』(朝日文庫)
