先生のためのいじめ基礎講座

教師が動けばいじめは止まる。データが示す「先生に話す」ことの力

あらせん(荒井隆一)あらせん (更新 2026年10月30日)
この記事の目次
  1. 「先生が入ると悪化する」は誤解
  2. 1995年の調査が示したこと
  3. 今の学校の「解消率」
  4. 子どもに伝えたいこと
  5. 教師は最大の教育環境

この記事の3行まとめ

  • 先生に報告されたいじめの65.3%は「なくなった・少なくなった」。「ひどくなった」は6.5%でした。
  • 2024年度に認知されたいじめのうち、76.1%が年度末までに解消しています。
  • 教師が本気で動けば、いじめは止まります。教師は子どもにとって最大の教育環境です。
親指を立てる先生(イラスト)
教師が動けば、いじめは止まる。(イラスト:広野りお)

「先生が入ると悪化する」は誤解

「教師がいじめに介入すると、かえってひどくなる」。そんな声を耳にすることがあります。子ども自身も、そう思って相談をためらうことがあります。

けれども、データは逆のことを示しています。

1995年の調査が示したこと

森田洋司さんらは1995年、いじめを受けた子や見た子に、「いじめを先生に報告したらどうなったか」をたずねる調査を行いました。

約8割の子が「先生はいじめをなくそうとしてくれた」と答えました。そして、先生が動いた結果をたずねると、次のようになりました。

先生に報告した結果割合
いじめはなくなった・少なくなった65.3%
ひどくなった6.5%

先生に報告すれば、多くの場合、事態はよい方向に向かうのです。

今の学校の「解消率」

あれから30年がたち、法律ができ、学校の組織的な対応は大きく進みました。文部科学省の調査では、2024年度に認知されたいじめ769,022件のうち、76.1%が年度末までに「解消しているもの」とされています。

ここでいう「解消」は、少なくとも3か月間いじめの行為が止んでいること、被害の子が心身の苦痛を感じていないことを、面談などで確かめたうえでの判断です。

子どもに伝えたいこと

この数字は、ぜひ子どもたちにも伝えてください。

  • 先生に話せば、いじめは止められる
  • 先生は、チームであなたを守る
  • 話してくれたことで、あなたが不利になることはない

子どもが「先生に話せばよくなる」と信じられること。それが、早期発見のいちばんの土台です。

教師は最大の教育環境

国の基本方針は、いじめに関する校内研修を年に複数回行うよう求めています。このシリーズで紹介してきた基礎基本を、ぜひ校内で確かめ合ってください。

教師が本気になれば、学校が変わります。子どもを確実に守れます。いじめが起きたときの具体的な動き方は、いじめはチームで対応するから始まる学校対応マニュアルのシリーズで解説しています。

出典:荒井隆一『いじめ2.0』第2・15節、文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」、文部科学大臣決定「いじめの防止等のための基本的な方針」(平成29年改定)

あらせん(荒井隆一)
この記事を書いた人 あらせん(荒井隆一)

小学校校長。書家。ことわざの達人。SUNPEACE 理事長、情熱教師塾 塾長。第63回読売教育賞 最優秀賞。著書『いじめ2.0〜新しいいじめとの戦い方〜』。

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