この記事の3行まとめ
- 先生に報告されたいじめの65.3%は「なくなった・少なくなった」。「ひどくなった」は6.5%でした。
- 2024年度に認知されたいじめのうち、76.1%が年度末までに解消しています。
- 教師が本気で動けば、いじめは止まります。教師は子どもにとって最大の教育環境です。

「先生が入ると悪化する」は誤解
「教師がいじめに介入すると、かえってひどくなる」。そんな声を耳にすることがあります。子ども自身も、そう思って相談をためらうことがあります。
けれども、データは逆のことを示しています。
1995年の調査が示したこと
森田洋司さんらは1995年、いじめを受けた子や見た子に、「いじめを先生に報告したらどうなったか」をたずねる調査を行いました。
約8割の子が「先生はいじめをなくそうとしてくれた」と答えました。そして、先生が動いた結果をたずねると、次のようになりました。
| 先生に報告した結果 | 割合 |
|---|---|
| いじめはなくなった・少なくなった | 65.3% |
| ひどくなった | 6.5% |
先生に報告すれば、多くの場合、事態はよい方向に向かうのです。
今の学校の「解消率」
あれから30年がたち、法律ができ、学校の組織的な対応は大きく進みました。文部科学省の調査では、2024年度に認知されたいじめ769,022件のうち、76.1%が年度末までに「解消しているもの」とされています。
ここでいう「解消」は、少なくとも3か月間いじめの行為が止んでいること、被害の子が心身の苦痛を感じていないことを、面談などで確かめたうえでの判断です。
子どもに伝えたいこと
この数字は、ぜひ子どもたちにも伝えてください。
- 先生に話せば、いじめは止められる
- 先生は、チームであなたを守る
- 話してくれたことで、あなたが不利になることはない
子どもが「先生に話せばよくなる」と信じられること。それが、早期発見のいちばんの土台です。
教師は最大の教育環境
国の基本方針は、いじめに関する校内研修を年に複数回行うよう求めています。このシリーズで紹介してきた基礎基本を、ぜひ校内で確かめ合ってください。
教師が本気になれば、学校が変わります。子どもを確実に守れます。いじめが起きたときの具体的な動き方は、いじめはチームで対応するから始まる学校対応マニュアルのシリーズで解説しています。
出典:荒井隆一『いじめ2.0』第2・15節、文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」、文部科学大臣決定「いじめの防止等のための基本的な方針」(平成29年改定)
