この記事の3行まとめ
- まずは否定せず、学校から事実を聞き取ります。
- 子どもを頭ごなしに叱らず、何があったのか、なぜしたのかを一緒にふり返ります。
- いじめの背景には、子どものストレスがあることが多いのです。そこへの手当ても必要です。
「お子さんが、同じクラスの子をいじめていたようです」。学校からそんな連絡があったら、どんな親でも動揺します。「うちの子に限って」と思うのも、自然なことです。
けれども、ここでの親の対応が、わが子のこれからを大きく左右します。
最初にすること:事実を聞く
連絡を受けたら、まずは学校の説明を最後まで聞いてください。
- いつ、どこで、何があったのか
- 相手の子は、今どんな様子か
- 学校は、どのように事実を確かめたのか
- 学校は、これからどう対応するのか
「うちの子がそんなことをするはずがない」と否定したり、「相手にも原因がある」と言い返したりするのは逆効果です。いじめは、された子が苦痛を感じていれば成立します。まずは事実を受け止めましょう。
子どもとの話し合い方

頭ごなしに叱らない
いきなり大声で叱ると、子どもは身を守るために、うそをついたり、黙ったりします。落ち着いた場所で、「学校から聞いたんだけど、何があったのか教えてくれる?」と切り出します。
「何をしたか」と「なぜしたか」を分けて聞く
| 聞くこと | 聞き方の例 |
|---|---|
| 何をしたか | 「どんなことをしたの?」「だれと一緒だった?」 |
| なぜしたか | 「そのとき、どんな気持ちだった?」「何かいやなことがあった?」 |
| 相手の気持ち | 「されたほうは、どう感じたと思う?」 |
| これから | 「これから、どうしたらいいと思う?」 |
していいことと、いけないことを、はっきり伝える
気持ちは受け止めても、行為は許さない。この線引きが大切です。「イライラしていたのはわかった。でも、だからといって人を傷つけていい理由にはならない」と、はっきり伝えてください。
いじめの背景にある「ストレス」
いじめの研究では、加害する子の多くが、家庭や学級などでの不満やストレスをため、それを弱い立場の子に向けて発散していることが指摘されています。
また、「いじめは悪いことだ」とわかっていても、「面白い」という気持ちが勝ってしまうことも、調査で明らかになっています。
だからこそ、叱るだけで終わらせず、わが子が抱えているストレスにも目を向けてください。
- 勉強や習いごとの負担が大きすぎないか
- 家庭の中で、つらいことがないか
- 学級や部活で、うまくいっていないことがないか
ストレスを、運動や趣味、話すことで発散する方法を一緒に考えるのも、親にできる大切な支えです。
謝罪について
謝罪は、子どもが自分のしたことを理解し、心から謝れる状態になってから行います。学校が謝罪の場を設けることが多いので、日程や進め方は学校と相談してください。親が先回りして相手の家に押しかけるのは、かえって相手の負担になることがあります。
子どもを見捨てない
わが子が加害者と言われるのは、つらいことです。でも、ここで親が正面から向き合えば、子どもは必ず変わります。いじめをした子も、支えが必要な子どもなのです。
出典:荒井隆一『いじめ2.0』第2・7節、第2・8節、第3・2節、いじめ防止対策推進法 第2条・第23条
