この記事の3行まとめ
- まずは記録をもとに、校長に文書で申し入れます。
- それでも動かないときは、教育委員会や法務局など、学校の外へ相談先を広げます。
- 大きな被害があるときは「重大事態」として調査を求めることができます。
学校にいじめを相談したのに、「様子を見ましょう」と言われたまま何も変わらない。「いじめではなく、けんかです」と言われた。説明を求めても、はっきりした答えがない。
保護者として、もどかしく、悔しい思いをされていると思います。でも、ここであきらめる必要はありません。次の4つの段階で、相談先を広げていきましょう。
1. 校長に、文書で申し入れる
担任や学年の先生と話がかみ合わないときは、校長や教頭に直接相談します。このとき、口頭だけでなく、文書にして渡すのがおすすめです。

- いつ、どんないじめがあったか(記録の要約)
- これまで学校に相談した日と、学校の対応
- 学校に求めること(いじめとしての対応、安全の確保、事実確認の結果の報告 など)
- 回答してほしい期限
文書にすると、学校の中で情報が共有されやすくなり、対応の記録も残ります。
2. 教育委員会に相談する
学校が動かないときは、市町村の教育委員会(私立学校なら都道府県の担当部署)に相談します。教育委員会には、生徒指導やいじめを担当する指導主事がいます。
教育委員会から学校に事情を確認し、対応を指導することができます。相談するときは、学校とのやりとりの記録を持っていくと、話がすぐに伝わります。
3. 「重大事態」として調査を求める
いじめによって、次のような被害があるときは、法律上の「重大事態」にあたる可能性があります。
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 生命・心身・財産に重大な被害 | 大きなけが、心の病気、多額のお金を取られた など |
| 長期の欠席 | いじめが原因で、年間30日程度を目安に学校を休んでいる |
国のガイドライン(2024年8月改訂)では、子どもや保護者から「いじめで重大な被害を受けた」という申し立てがあったときは、学校が「いじめの結果ではない」と考えていても、重大事態が起きたものとして報告・調査に当たることとされています。
申し立ては、学校か教育委員会に、文書で行うのが確実です。調査では、第三者を入れた組織が事実関係を調べ、結果は保護者にも説明されます。
4. 学校の外の専門家に相談する
| 相談先 | できること |
|---|---|
| 法務局(こどもの人権110番 0120-007-110) | 人権侵害として調査し、学校に改善を求めることがあります |
| 市や町の子どもの権利擁護の窓口 | オンブズパーソンなど、第三者の立場で調整してくれる自治体もあります |
| 弁護士(法テラスなど) | 法的な手続きや、学校とのやりとりについて助言を受けられます |
| 警察 | 暴力、恐喝、ネットでの脅しなど、犯罪にあたる行為は相談・被害届を |
子どもを守ることを最優先に
学校とのやりとりが長引くと、保護者も疲れてしまいます。そんなときも、いちばん大切なのは子どもの安全と心です。無理に登校させる必要はありません。休ませる判断については、学校を休ませる判断と、休んでいる間の学びをご覧ください。
ほかの相談先は、相談窓口一覧にまとめています。
出典:いじめ防止対策推進法 第28条・第30条、文部科学省「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」(令和6年8月改訂)、法務省「こどもの人権110番」、荒井隆一『いじめ2.0』第1・5節
