保護者のためのいじめQ&A

学校のいじめ対応に納得できないとき。保護者が次にできる4つのこと

あらせん(荒井隆一)あらせん (更新 2026年10月30日)
この記事の目次
  1. 1. 校長に、文書で申し入れる
  2. 2. 教育委員会に相談する
  3. 3. 「重大事態」として調査を求める
  4. 4. 学校の外の専門家に相談する
  5. 子どもを守ることを最優先に

この記事の3行まとめ

  • まずは記録をもとに、校長に文書で申し入れます。
  • それでも動かないときは、教育委員会や法務局など、学校の外へ相談先を広げます。
  • 大きな被害があるときは「重大事態」として調査を求めることができます。

学校にいじめを相談したのに、「様子を見ましょう」と言われたまま何も変わらない。「いじめではなく、けんかです」と言われた。説明を求めても、はっきりした答えがない。

保護者として、もどかしく、悔しい思いをされていると思います。でも、ここであきらめる必要はありません。次の4つの段階で、相談先を広げていきましょう。

1. 校長に、文書で申し入れる

担任や学年の先生と話がかみ合わないときは、校長や教頭に直接相談します。このとき、口頭だけでなく、文書にして渡すのがおすすめです。

母親が先生2人と向き合う(イラスト)
納得できないときは、思いを文書にして伝えましょう。(イラスト:広野りお)
  • いつ、どんないじめがあったか(記録の要約)
  • これまで学校に相談した日と、学校の対応
  • 学校に求めること(いじめとしての対応、安全の確保、事実確認の結果の報告 など)
  • 回答してほしい期限

文書にすると、学校の中で情報が共有されやすくなり、対応の記録も残ります。

2. 教育委員会に相談する

学校が動かないときは、市町村の教育委員会(私立学校なら都道府県の担当部署)に相談します。教育委員会には、生徒指導やいじめを担当する指導主事がいます。

教育委員会から学校に事情を確認し、対応を指導することができます。相談するときは、学校とのやりとりの記録を持っていくと、話がすぐに伝わります。

3. 「重大事態」として調査を求める

いじめによって、次のような被害があるときは、法律上の「重大事態」にあたる可能性があります。

種類例
生命・心身・財産に重大な被害大きなけが、心の病気、多額のお金を取られた など
長期の欠席いじめが原因で、年間30日程度を目安に学校を休んでいる

国のガイドライン(2024年8月改訂)では、子どもや保護者から「いじめで重大な被害を受けた」という申し立てがあったときは、学校が「いじめの結果ではない」と考えていても、重大事態が起きたものとして報告・調査に当たることとされています。

申し立ては、学校か教育委員会に、文書で行うのが確実です。調査では、第三者を入れた組織が事実関係を調べ、結果は保護者にも説明されます。

4. 学校の外の専門家に相談する

相談先できること
法務局(こどもの人権110番 0120-007-110)人権侵害として調査し、学校に改善を求めることがあります
市や町の子どもの権利擁護の窓口オンブズパーソンなど、第三者の立場で調整してくれる自治体もあります
弁護士(法テラスなど)法的な手続きや、学校とのやりとりについて助言を受けられます
警察暴力、恐喝、ネットでの脅しなど、犯罪にあたる行為は相談・被害届を

子どもを守ることを最優先に

学校とのやりとりが長引くと、保護者も疲れてしまいます。そんなときも、いちばん大切なのは子どもの安全と心です。無理に登校させる必要はありません。休ませる判断については、学校を休ませる判断と、休んでいる間の学びをご覧ください。

ほかの相談先は、相談窓口一覧にまとめています。

出典:いじめ防止対策推進法 第28条・第30条、文部科学省「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」(令和6年8月改訂)、法務省「こどもの人権110番」、荒井隆一『いじめ2.0』第1・5節

あらせん(荒井隆一)
この記事を書いた人 あらせん(荒井隆一)

小学校校長。書家。ことわざの達人。SUNPEACE 理事長、情熱教師塾 塾長。第63回読売教育賞 最優秀賞。著書『いじめ2.0〜新しいいじめとの戦い方〜』。

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