この記事の3行まとめ
- 相談では「いじめとして対応してほしい」と、はっきり伝えます。
- 学校には、法律と国の方針にもとづいた対応の手順があります。流れを知っておくと安心です。
- 相談の場では、5つのことを必ず確認し、やりとりを記録に残します。
わが子のいじめを学校に相談するのは、保護者にとっても勇気のいることです。「モンスターペアレントだと思われないか」「かえって子どもが不利にならないか」。そんな不安から、相談をためらう方もいます。
でも、学校にいじめを伝えるのは、保護者の当然の権利です。学校にとっても、早く知らせてもらえるほど、対応がしやすくなります。
相談の前に準備すること
- 子どもから聞いた話を、日付を入れてメモにまとめる
- スクリーンショットや写真などの証拠を用意する
- 子どもの今の様子(体調、登校の様子、気持ち)を書いておく
- 子どもが「何を望んでいるか」を聞いておく(相手と離れたい、謝ってほしい、知られたくない など)
相談で伝える3つのこと
- 「いじめとして対応してほしい」:子どもが心身の苦痛を感じていれば、法律上いじめにあたります
- 「まず子どもの安全を守ってほしい」:明日からの見守りの方法を確認します
- 「事実確認の結果と、今後の方針を教えてほしい」:いつ連絡をもらえるかも確認します
学校はこう動く。12のステップを保護者の目線で
学校には、すべての学校に置くことが法律で決められた「学校いじめ対策組織」があり、いじめを知った教職員はこの組織に報告しなければなりません。私が拙著『いじめ2.0』で示した対応マニュアルでは、学校の動きを12のステップに整理しています。

| ステップ | 学校がすること | 保護者が知っておきたいこと |
|---|---|---|
| 1〜2 | 発見・報告、緊急対策会議 | 担任に伝えても、学校全体で対応が始まります |
| 3 | 子どもたちへの聴き取り | 被害の子、加害の子、見ていた子から話を聞きます |
| 4 | いじめかどうかの判断、方針決め | 方針を教えてもらいましょう |
| 5 | 被害の子の家庭への連絡・訪問 | できればその日のうちに、事実と方針の説明があります |
| 6〜7 | 加害の子の家庭への連絡、方針の見直し | 保護者の要望をふまえて方針が修正されます |
| 8 | 教育委員会への報告 | いじめと判断したら報告します |
| 9〜10 | 指導と謝罪の場 | 謝罪は、子どもが望む場合に、加害の子が心から謝れる状態になってから行います |
| 11〜12 | 3か月の見守りと「解消」の判断 | 行為が止んでいるか、子どもが苦痛を感じていないかを面談で確かめます |
学校側から見たくわしい流れは、いじめはチームで対応する。「学校いじめ対策組織」の作り方と12のステップで解説しています。
相談の場で必ずもらうべき5つの回答
| 確認すること | 聞き方の例 |
|---|---|
| いじめとして扱うか | 「いじめとして対応していただけますか」 |
| 担当の窓口 | 「今後の連絡は、どなたにすればよいですか」 |
| 明日からの安全の守り方 | 「明日から、休み時間や登下校はどう見守っていただけますか」 |
| 事実確認の予定 | 「聴き取りの結果は、いつごろ教えていただけますか」 |
| 次の連絡日 | 「次は、何日に連絡をいただけますか」 |
やりとりは必ず記録する
学校とのやりとりは、日時、相手、話した内容をメモに残してください。電話のあとにメモするだけでもかまいません。万一、対応に納得できないときに、とても大切な資料になります。
学校とは「敵」ではなく、子どもを守る「チーム」です。感情的にならず、事実と要望をはっきり伝えることが、いちばんの近道です。それでも対応に納得できないときは、学校の対応に納得できないときを読んでください。
出典:いじめ防止対策推進法 第22条・第23条、文部科学大臣決定「いじめの防止等のための基本的な方針」(平成29年改定)、荒井隆一『いじめ2.0』第2・16節、第2・17節
