セミコン挑戦記

英語が苦手な大人でも伝わる、英語スピーチ5つのコツ|中1レベルで優勝した私が教わったこと

あらせん(荒井隆一)あらせん
この記事の目次
  1. コツ1:まず、日本語で伝えたいことを固める
  2. コツ2:自分より「上手すぎる英語」にしない
  3. コツ3:英語は思っているより簡単だ、と気づく
  4. コツ4:簡単な単語で、一文を短く
  5. コツ5:相手に想像させる。そして、体になじむまで練習する
  6. まとめ

私は英語が大の苦手で、きらいでした。今でも中学1年生レベルです。それでも、シンガポールで開かれた英語のセミナーコンテストで優勝できました。

変わったきっかけは、師匠・山岸加代さんとの出会いです。山岸さんは、私が出た大会の前年、第1回シンガポール大会で優勝した方です。この記事では、山岸さんに教わったことを5つのコツにまとめます。

コツ1:まず、日本語で伝えたいことを固める

子どもが英語を話せるようになるには、まず日本語をしっかり身につけること。母語でできないことは、第二言語でもできません。大人も同じです。

英語のスピーチも、まず日本語の話がしっかりしていることが出発点です。私も日本語の10分セミナーを、講座や大会で何度も練り直してから英語にしました。

コツ2:自分より「上手すぎる英語」にしない

これが、誰もが落ちる落とし穴です。

私は日本語の原稿を、英語がとても得意な友人に訳してもらいました。そのとき、「シンガポールで、ビジネスパーソンや教育関係者の前でプレゼンする」とだけ伝えたんです。友人はきっと、学会のような場を思いうかべたのでしょう。届いたのは、格式の高い、美しい英文でした。

でも、私の英語は中1レベル。日本語だって「わー」「めっちゃ」が多い話し方です。その私が大学レベルの英語を話しても、ぜんぜん私たちしくありません。原稿を読んだ山岸さんに、ひと言で言われました。

「荒井さんの英語力よりも、難しい単語や表現が多すぎますね」

翻訳をお願いするときは、「自分の英語は中学1年生レベル。その言葉で話せるように訳してほしい」と伝えることが大切です。

コツ3:英語は思っているより簡単だ、と気づく

山岸さんのレッスンは、意外なところから始まりました。「好きなディズニー映画はありますか」。私が「美女と野獣」と答えると、その予告編を何回か見せてくれました。

わかる英語はありましたか、と聞かれて「ありません」。次に、予告編のセリフを文字にしたものを読みました。知らない単語は、たった2つか3つ。もう一度見ると、今度は聞き取れる単語がありました。

世界中の人が見ている映画でも、セリフは短い文で、知っている単語ばかり。英語の壁がくずれた瞬間でした。2時間のレッスンのあと、私は思わず「英語って、こんなに楽しいものだったんですね」と言っていました。

コツ4:簡単な単語で、一文を短く

わかりやすく伝える極意は、2つだけです。

  1. 簡単な単語を使う
  2. 一文を短くする

たとえば、大会で話した私のスピーチは、こんな英語です。

One day, students came to me shouting, “Teacher, fire in the toilet!” I rushed to the toilet. I saw fire in the toilet.

ある日、子どもたちが叫びながらやってきた。「先生、トイレで火が!」。走っていった。本当に火が出ていた。日本語で話すときと同じ、短い文の積み重ねです。むずかしい関係代名詞は一つもありません。最初の訳では、こうした場面がもっと長い一文で書かれていました。

そして、セミナーの最初に聞いている人へ語りかける言葉は、これだけにしました。

Don’t worry. I will help you.

コツ5:相手に想像させる。そして、体になじむまで練習する

山岸さんは「単語や文章を丸暗記するだけにはしないで」「聞いている人が頭の中で想像できたら勝ち」と言いました。そのために、自分がしっくりくる英単語を一緒に探してくれました。

たとえば「体育」は英語で physical education。でも physical は、私にはピンときません。それなら teacher of football, baseball, running, swimming(サッカーや野球や水泳を教える先生)と言ったほうが、聞く人の頭に体育の先生が浮かびます。小さな子どもになったつもりで、言葉を選び直すんです。英語の I see(わかった)が「見えた」という意味なのも、同じ考え方だと気づきました。

原稿ができたら、山岸さんに全文を読んでもらって録音しました。その音声を、通勤の行き帰りも、駐車場から歩くあいだも、300回聞きました。ぶつぶつまねしていたので、まわりの人には不思議に見えていたと思います。

言葉が自分から離れたら、伝わらない。自分の言葉で、気持ちをこめて話す。

300回聞いたあとは、自分で話す練習です。最後の1週間で、10分のセミナーを100回話しました(挑戦記⑤)。

まとめ

  1. まず、日本語で伝えたいことを固める
  2. 自分より上手すぎる英語にしない
  3. 英語は思っているより簡単だ、と気づく
  4. 簡単な単語で、一文を短く
  5. 相手に想像させる。体になじむまで練習する

英語が苦手でも、伝わります。カタカナ英語でも、思いがあれば、会場はちゃんと「Good job!」と返してくれました。

https://stand.fm/episodes/5fcb40c41522a7bdf12e83a9

https://stand.fm/episodes/5fcc2b8dd4545580e5d89d21

https://stand.fm/episodes/5fd20db4285a637f5ded2956

https://stand.fm/episodes/5fdf1546ea907ea1ef8a3855

あらせん(荒井隆一)
この記事を書いた人 あらせん(荒井隆一)

小学校校長。書家。ことわざの達人。SUNPEACE 理事長、情熱教師塾 塾長。第63回読売教育賞 最優秀賞。著書『いじめ2.0〜新しいいじめとの戦い方〜』。

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