この記事の3行まとめ
- 大人はつい「大人の基準」で褒めますが、子どもは「その子なりの努力や工夫」を認めてほしいと思っています。
- 「認める」とは、結果ではなく、その子のこだわりや、人への貢献に目を向けて言葉にすることです。
- 「ありがとう」「助かったよ」は、自己有用感を育てる最も強い言葉です。
「褒められてもうれしくない」の正体
子どもから「そんなことで褒められても、うれしくない」という言葉を聞いたことはありませんか。
大人は、子どもと接するとき、大人の基準で褒めていることが多いものです。基準より上なら「よくやったね」、下なら「がんばりなさい」。
でも子どもが認めてほしいのは、大人の基準ではなく、その子なりにこだわったこと、努力したこと、工夫したことです。逆に、たいして努力していないことを「よくがんばったね」と褒められても、うれしくありません。
子どもの行動に向き合わず、表面的にお世辞を言ったり、ちやほやしたりしても、自己有用感は育ちません(いじめ予防のカギは「自己有用感」)。
「褒める」と「認める」の違い
| 褒める | 認める | |
|---|---|---|
| 基準 | 大人の基準 | その子の基準 |
| 見ているもの | 結果、できばえ | 過程、工夫、こだわり、人への貢献 |
| 言葉の形 | 「すごいね」「えらいね」 | 「〜していたね」「〜してくれて助かったよ」 |
| 子どもに残るもの | 評価された | 見てもらえた、役に立てた |
声かけの言い換え例
| 場面 | 褒める言葉 | 認める言葉 |
|---|---|---|
| テストで点が上がった | 「すごいね、80点!」 | 「毎朝、漢字を練習していたもんね」 |
| 掃除をがんばった | 「えらいね」 | 「すみずみまでふいてくれたね。みんなが気持ちよく使えるよ。ありがとう」 |
| 友だちを手伝った | 「やさしいね」 | 「〇〇さん、助かったって言ってたよ」 |
| 発表した | 「上手だったよ」 | 「最後まで、みんなの方を見て話していたね」 |
| 係の仕事をした | 「よくできました」 | 「毎日続けてくれているから、クラスが回っているよ」 |
| 失敗したけど挑戦した | 「おしかったね」 | 「むずかしいのに、やってみたんだね」 |
子どもとの会話の例
子ども「ぼく、苦手なこともあるけど、掃除だけは得意なんです。みんなのために、がんばります」
先生「いつも自分のことだけじゃなく、みんなのために動いてくれてありがとう。先生もがんばるわ」
先生が「ありがとう」と伝えることで、子どもは「自分はみんなの役に立っている」と実感できます。
子ども同士で認め合う仕組み
先生だけでなく、子ども同士が互いのよさを認め合うことで、居心地のよい学級になっていきます。
- 帰りの会で「今日のありがとう」を1人1つ伝える
- 掲示板に「〇〇さんのいいところ」カードを貼る
- 行事のあとに、班の友だちのがんばりを書いて渡す
大切なのは、形だけで終わらせないことです。先生自身が、毎日「ありがとう」を言葉にしてみせることから始めてください。
出典:荒井隆一『いじめ2.0』第2・18節
