いじめが起きない学級づくり

「褒める」と「認める」は違う。子どもの自己有用感を育てる声かけ言い換え集

あらせん(荒井隆一)あらせん (更新 2026年10月30日)
この記事の目次
  1. 「褒められてもうれしくない」の正体
  2. 「褒める」と「認める」の違い
  3. 声かけの言い換え例
  4. 子どもとの会話の例
  5. 子ども同士で認め合う仕組み

この記事の3行まとめ

  • 大人はつい「大人の基準」で褒めますが、子どもは「その子なりの努力や工夫」を認めてほしいと思っています。
  • 「認める」とは、結果ではなく、その子のこだわりや、人への貢献に目を向けて言葉にすることです。
  • 「ありがとう」「助かったよ」は、自己有用感を育てる最も強い言葉です。

「褒められてもうれしくない」の正体

子どもから「そんなことで褒められても、うれしくない」という言葉を聞いたことはありませんか。

大人は、子どもと接するとき、大人の基準で褒めていることが多いものです。基準より上なら「よくやったね」、下なら「がんばりなさい」。

でも子どもが認めてほしいのは、大人の基準ではなく、その子なりにこだわったこと、努力したこと、工夫したことです。逆に、たいして努力していないことを「よくがんばったね」と褒められても、うれしくありません。

子どもの行動に向き合わず、表面的にお世辞を言ったり、ちやほやしたりしても、自己有用感は育ちません(いじめ予防のカギは「自己有用感」)。

「褒める」と「認める」の違い

褒める認める
基準大人の基準その子の基準
見ているもの結果、できばえ過程、工夫、こだわり、人への貢献
言葉の形「すごいね」「えらいね」「〜していたね」「〜してくれて助かったよ」
子どもに残るもの評価された見てもらえた、役に立てた

声かけの言い換え例

場面褒める言葉認める言葉
テストで点が上がった「すごいね、80点!」「毎朝、漢字を練習していたもんね」
掃除をがんばった「えらいね」「すみずみまでふいてくれたね。みんなが気持ちよく使えるよ。ありがとう」
友だちを手伝った「やさしいね」「〇〇さん、助かったって言ってたよ」
発表した「上手だったよ」「最後まで、みんなの方を見て話していたね」
係の仕事をした「よくできました」「毎日続けてくれているから、クラスが回っているよ」
失敗したけど挑戦した「おしかったね」「むずかしいのに、やってみたんだね」

子どもとの会話の例

子ども「ぼく、苦手なこともあるけど、掃除だけは得意なんです。みんなのために、がんばります」

先生「いつも自分のことだけじゃなく、みんなのために動いてくれてありがとう。先生もがんばるわ」

先生が「ありがとう」と伝えることで、子どもは「自分はみんなの役に立っている」と実感できます。

子ども同士で認め合う仕組み

先生だけでなく、子ども同士が互いのよさを認め合うことで、居心地のよい学級になっていきます。

  • 帰りの会で「今日のありがとう」を1人1つ伝える
  • 掲示板に「〇〇さんのいいところ」カードを貼る
  • 行事のあとに、班の友だちのがんばりを書いて渡す

大切なのは、形だけで終わらせないことです。先生自身が、毎日「ありがとう」を言葉にしてみせることから始めてください。

出典:荒井隆一『いじめ2.0』第2・18節

あらせん(荒井隆一)
この記事を書いた人 あらせん(荒井隆一)

小学校校長。書家。ことわざの達人。SUNPEACE 理事長、情熱教師塾 塾長。第63回読売教育賞 最優秀賞。著書『いじめ2.0〜新しいいじめとの戦い方〜』。

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