いじめが起きたら:学校対応マニュアル

いじめ対応ステップ11〜12:3か月の見守りと「解消」の判断。ケース会議の進め方

あらせん(荒井隆一)あらせん (更新 2026年10月30日)
この記事の目次
  1. ステップ11:再発防止の支援
  2. ケース会議の10の手順
  3. 周りの子への指導を忘れない
  4. ステップ12:対策会議の定期開催
  5. 「解消」の判断

この記事の3行まとめ

  • 謝罪から3か月間、被害の子・加害の子・周りの子への支援を続けます。
  • 支援の方針は、カウンセラーなども入れた「ケース会議」で決めます。
  • 「解消」は、行為が3か月止んでいること、被害の子が苦痛を感じていないことを面談で確かめて判断します。

ステップ11:再発防止の支援

いじめは再発する可能性が高いため、謝罪から3か月間が勝負です。この間に、次の3つを目指します。

対象目指すことつなぐ先の例
被害の子心の回復スクールカウンセラー
加害の子ストレスなど問題の背景の解消スクールソーシャルワーカー(家庭環境に課題がある場合)
周りの子集団が新しい一歩をふみ出す弁護士や警察官による授業、学級での話し合い

使える資源は、すべて使いましょう。

ケース会議の10の手順

支援の方針は、関係する教職員にカウンセラーやソーシャルワーカーも加わる「ケース会議」で決めます。

大人数の会議(イラスト)
ケース会議で、支え方をみんなで決める。(イラスト:広野りお)
  1. 準備:日程と参加者を決め、子どもの様子をまとめた資料をつくる。司会と記録係を決め、話し合う内容を事前に伝える
  2. 問題の明確化:子どもや家族の状況を共有し、問題を行動レベルで確認する
  3. 強みの確認:支援に生かせそうな、子ども本人の「強み」をさがす
  4. 目標設定:期間は3か月。どう変わってほしいかを、肯定的で具体的な言葉で決める
  5. 背景の検討:問題に影響していそうな背景や要因を考える
  6. 支援方法の案出し:誰が、いつ、どこで、どのくらいの頻度で何をするか、案を出し合う
  7. 支援方法の決定:効果が高く、実行できるものを選ぶ
  8. 支援計画の作成:評価の方法と時期も決める
  9. 支援の実施
  10. 効果の検証:計画どおりか、修正が必要かを確かめる

周りの子への指導を忘れない

いじめは集団の問題です。見ていた子、はやし立てた子が「仲裁者」に変われば、いじめは起こりにくくなります。たとえ止められなくても、誰かに知らせる勇気をもつことを教えてください。教材を使った授業や学級での話し合いも有効です(傍観者を仲裁者に変える授業アイデア)。

国の基本方針は、いじめが解消するまで被害の子を徹底して守り通す責任が学校にあるとし、支援内容や役割分担を含む対処プランをつくって確実に実行するよう求めています。

ステップ12:対策会議の定期開催

謝罪後の3か月間は、いじめ対策会議を定期的に開き、再発を防げているかを確かめます。

  • 重大な事案は週1回、軽微な事案でも月1回は開く
  • 会議の前に、担当者が被害・加害の子と保護者から、気になることがないか聴いておく
  • 会議の内容と、子どもや保護者の言葉を記録に残す

「解消」の判断

国の基本方針は、いじめが「解消している」状態とは、少なくとも次の2つが満たされていることだとしています。

要件確かめ方
① いじめの行為が止んでいる(少なくとも3か月が目安)記録と見守りの結果、本人・周りの子からの聴き取り
② 被害の子が心身の苦痛を感じていない被害の子と保護者との面談

確認は、電話ではなく必ず面談で行います。2つの要件が確かめられて、はじめて「解消」です。解消したあとも、再発の可能性があることをふまえて、日ごろの見守りを続けてください。

ここまでの12ステップが、国の基本方針にもとづいた対応の全体像です。重大事態になったときの対応は、重大事態になったら。2024年改訂ガイドラインの要点で解説します。

出典:荒井隆一『いじめ2.0』第2・17節、文部科学大臣決定「いじめの防止等のための基本的な方針」(平成29年改定)

あらせん(荒井隆一)
この記事を書いた人 あらせん(荒井隆一)

小学校校長。書家。ことわざの達人。SUNPEACE 理事長、情熱教師塾 塾長。第63回読売教育賞 最優秀賞。著書『いじめ2.0〜新しいいじめとの戦い方〜』。

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