この記事の3行まとめ
- 第2回緊急対策会議で、いじめかどうかを判断し、対応方針と保護者への伝え方を決めます。
- 方針は「被害の子を守りきる」ことを大前提に、5つの視点で考えます。
- 加害の子への指導は「認識する→反省する→責任をとる」の3段階で進めます。
第2回緊急対策会議の目的
聴き取りを終えたら、第2回緊急対策会議を開きます。目的は次の4つです。
- いじめの有無を判断する
- 今後の対応方針を決める
- 被害・加害の子の保護者に伝える内容と方針を確認する
- 誰が保護者に伝えるかを決める
いじめかどうかの判断
判断は、法律のいじめの定義にもとづいて行います。最も大切なのは、被害の子が心身の苦痛を感じているかどうかです。本人が否定している場合も、表情や様子、周りの状況から客観的に判断します(いじめの定義は「4つの要素」で覚える)。
方針を立てる「5つの視点」
| 視点 | 目的 | 具体的な手立ての例 |
|---|---|---|
| 1. 被害の子 | 安心させ、自尊感情を回復させる | 複数の教師で見守る、登下校に大人がつく、相談できる先生を決める、帰りに「今日は大丈夫だった?」と声をかける |
| 2. 被害の子の保護者 | 正確な事実を伝え、安心してもらう | つらい気持ちを受け止める、具体的な守り方を示す、継続して連絡を取り合う |
| 3. 加害の子 | 事の重大さを理解させ、心から謝罪できるよう導く | 毅然と指導する、背景のストレスに手当てする、深刻な場合は別室での学習や警察との連携も |
| 4. 加害の子の保護者 | 重大さを理解してもらい、家庭での指導に協力を得る | 被害の深刻さを率直に伝える、子どもの話を時間をかけて聴いたことを伝える |
| 5. 周りの子ども | 観衆や傍観者を仲裁者に変える | いじめは許されないと毅然と示す、見て見ぬふりもいじめを支えると伝える |

被害の子への手立てで大切なのは、「もういじめは起こらない」「先生が守ってくれる」と思えることです。そして、「自分にも問題がある」「自分なんていないほうがいい」と傷ついた心に、「あなたは悪くない」と伝え続けることです。
加害の子については、「人は誰でも失敗する。これをきっかけに、本当に強くやさしい人に変われる」という、成長を支える視点も欠かせません。
加害の子への「3つの指導段階」
いじめ解消の最大の焦点は、加害の子が心から謝罪できるかどうかです。そこに向けて、3つの段階で指導します。
| 段階 | 目標 |
|---|---|
| 第1段階:認識する | 自分の行為が、相手とその家族を苦しめた事実を理解する |
| 第2段階:反省する | 人を傷つける行為を二度としないと誓う |
| 第3段階:責任をとる | 相手に心から謝罪し、その後のふるまいで相手を安心させる |
会議では、聴き取りの内容から「今、加害の子はどの段階にいるか」「第3段階までどのくらいかかるか」を確認し、いつまでに、どんな指導で進めるかを決めます。
保護者に伝える内容を確認する
保護者に、不確かな情報を伝えてはいけません。不正確な情報が学校への不信を生み、その後の対応に追われる。そんなケースを、私は何度も見てきました。
- 現時点で伝えられる事実は何か
- 伝えるべき学校の対応方針は何か
この2点を会議で確かめ、保護者には必ず複数の教師で、対面で伝えます。電話で済ませず、担任任せにもしません。
方針がしっかりしていれば、家庭訪問で保護者を味方にできます。次回は、ステップ5〜7:その日のうちの家庭訪問を解説します。
出典:荒井隆一『いじめ2.0』第2・17節、文部科学大臣決定「いじめの防止等のための基本的な方針」(平成29年改定)
