地域と大人にできること

子どものために動くと、運がよくなる。「配慮範囲」の研究から

あらせん(荒井隆一)あらせん (更新 2026年10月30日)
この記事の目次
  1. 動こうか、迷っている方へ
  2. 認知的焦点化理論と「配慮範囲」
  3. 配慮範囲が広い人は「運がいい」
  4. 子どものために動くことは、配慮範囲を広げること

この記事の3行まとめ

  • 藤井聡教授の「認知的焦点化理論」は、人がどこまで遠くの他人と未来に心を配れるかを「配慮範囲」として考えます。
  • 配慮範囲の広い人は、協力的な人間関係を築き、まわりから助けられるため、「運がいい人」に見えます。
  • 地域の子どものために動くことは、配慮範囲を広げる行動そのものです。

動こうか、迷っている方へ

登下校の見守りや学校のボランティアに興味はあるけれど、忙しいし、自分にできるかわからない。そう迷っている方に紹介したい研究があります。

認知的焦点化理論と「配慮範囲」

京都大学大学院の藤井聡教授は、人が心の奥でどこに焦点を当てているかに着目し、「認知的焦点化理論」を提唱しています。この理論では、次の2つの軸で「配慮範囲」をとらえます。

軸狭い ← → 広い
関係の軸(どれくらい遠くの他人まで配慮できるか)自分 → 家族 → 友人 → 知人 → 他人
時間の軸(どれくらい遠くの未来まで配慮できるか)今 → 数日先 → 自分の将来 → 子どもの将来 → 社会の将来

目の前の自分の損得だけを考える人は、配慮範囲が狭い人。他人や遠い未来のことまで思いを寄せられる人は、配慮範囲が広い人です。

配慮範囲が広い人は「運がいい」

藤井教授の研究によると、次のような違いが生まれるといいます。

配慮範囲が狭い人配慮範囲が広い人
短期的にはある程度、効率よく成果をあげられる遠回りに見えることもある
人間関係協力的な関係を築きにくい協力的な関係を築き、ネットワークができる
長い目で見ると損失が多くなりやすいまわりの人が助けてくれる
周囲からの見え方運に見放されている運がいい人

つまり、「運がいい人」とは、より多くの人、より遠い未来まで配慮できる人だということです。

子どものために動くことは、配慮範囲を広げること

地域の子どもを見守ることは、「他人の子ども」と「社会の将来」に心を配る行動です。まさに、配慮範囲を広げる行動そのものです。

  • 朝、通学路に立って子どもにあいさつする
  • 学校の見守りや行事の手伝いに参加する
  • いじめに気づいたら、学校や家庭に知らせる

続けていると、子どもたちが名前を呼んであいさつしてくれるようになり、保護者や地域の人とのつながりも生まれます。

見守りの始め方は、登下校・校内の見守りボランティアの始め方をご覧ください。地域の子どものため、そして自分のために、一歩ふみ出してみませんか。

出典:荒井隆一『いじめ2.0』第3・5節、藤井聡氏の「認知的焦点化理論」に関する研究

あらせん(荒井隆一)
この記事を書いた人 あらせん(荒井隆一)

小学校校長。書家。ことわざの達人。SUNPEACE 理事長、情熱教師塾 塾長。第63回読売教育賞 最優秀賞。著書『いじめ2.0〜新しいいじめとの戦い方〜』。

プロフィールを読む →

コメントを書く

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA