この記事の3行まとめ
- 藤井聡教授の「認知的焦点化理論」は、人がどこまで遠くの他人と未来に心を配れるかを「配慮範囲」として考えます。
- 配慮範囲の広い人は、協力的な人間関係を築き、まわりから助けられるため、「運がいい人」に見えます。
- 地域の子どものために動くことは、配慮範囲を広げる行動そのものです。
動こうか、迷っている方へ
登下校の見守りや学校のボランティアに興味はあるけれど、忙しいし、自分にできるかわからない。そう迷っている方に紹介したい研究があります。
認知的焦点化理論と「配慮範囲」
京都大学大学院の藤井聡教授は、人が心の奥でどこに焦点を当てているかに着目し、「認知的焦点化理論」を提唱しています。この理論では、次の2つの軸で「配慮範囲」をとらえます。
| 軸 | 狭い ← → 広い |
|---|---|
| 関係の軸(どれくらい遠くの他人まで配慮できるか) | 自分 → 家族 → 友人 → 知人 → 他人 |
| 時間の軸(どれくらい遠くの未来まで配慮できるか) | 今 → 数日先 → 自分の将来 → 子どもの将来 → 社会の将来 |
目の前の自分の損得だけを考える人は、配慮範囲が狭い人。他人や遠い未来のことまで思いを寄せられる人は、配慮範囲が広い人です。
配慮範囲が広い人は「運がいい」
藤井教授の研究によると、次のような違いが生まれるといいます。
| 配慮範囲が狭い人 | 配慮範囲が広い人 | |
|---|---|---|
| 短期的には | ある程度、効率よく成果をあげられる | 遠回りに見えることもある |
| 人間関係 | 協力的な関係を築きにくい | 協力的な関係を築き、ネットワークができる |
| 長い目で見ると | 損失が多くなりやすい | まわりの人が助けてくれる |
| 周囲からの見え方 | 運に見放されている | 運がいい人 |
つまり、「運がいい人」とは、より多くの人、より遠い未来まで配慮できる人だということです。
子どものために動くことは、配慮範囲を広げること
地域の子どもを見守ることは、「他人の子ども」と「社会の将来」に心を配る行動です。まさに、配慮範囲を広げる行動そのものです。
- 朝、通学路に立って子どもにあいさつする
- 学校の見守りや行事の手伝いに参加する
- いじめに気づいたら、学校や家庭に知らせる
続けていると、子どもたちが名前を呼んであいさつしてくれるようになり、保護者や地域の人とのつながりも生まれます。
見守りの始め方は、登下校・校内の見守りボランティアの始め方をご覧ください。地域の子どものため、そして自分のために、一歩ふみ出してみませんか。
出典:荒井隆一『いじめ2.0』第3・5節、藤井聡氏の「認知的焦点化理論」に関する研究
