この記事の3行まとめ
- 「正しいことが通らない」「正直者がばかを見る」学級では、いじめが起きやすくなります。
- いじめは5〜6月と10〜11月に多く、教室・廊下・休み時間など、大人の目が届かない場所と時間に起きます。
- 今はネット上も、大人の目が届かない「新しい場所」です。
いじめが起こりやすい学級
国の調査や森田洋司さんの研究から、いじめの発生率が高い学級には、次のような特徴があることがわかっています。
- 正しいことが、正しいこととして通らない
- 正直者がばかを見る
- 教師が子どもの機嫌をとる、こびる
ただし、これらに当てはまらない学級でも、いじめは起こります。いじめはどの学級でも起こりうる、という前提に立つことが大切です。
いじめが多い時期
群馬県教育委員会が2009年に発表した調査では、いじめの認知件数は5〜6月と10〜11月に多くなっていました。長い休みが明け、学級の人間関係が固まってくる時期です。
脳科学者の中野信子さんは、著書『ヒトは「いじめ」をやめられない』の中で、この時期は日照時間が変わり、心を安定させる働きのあるセロトニンが不足しやすい季節だと述べています。
| 時期 | 先回りして打つ手 |
|---|---|
| 4月 | 学級のルールづくり、いじめ対策組織の先生の紹介 |
| 5〜6月の前 | アンケートと全員面談、人間関係の見直し |
| 9月(夏休み明け) | 欠席や表情の変化の見守り |
| 10〜11月の前 | 2回目のアンケートと面談、学級全体への語り |
年間を通した予防の計画は、いじめ予防カレンダーで紹介します。
いじめが起こる場所と時間
森田さんの1999年の研究では、いじめが起きた場所は、1位が教室、2位が廊下・階段でした。時間帯では、1位が休み時間、2位が掃除の時間。学校の外では、登下校中が最も多くなっていました。

つまり、いじめは大人の目が届かない場所と時間に起きているのです。
心理学者のフィリップ・ジンバルドーは、「誰にも見られていない」「自分だと特定されない」という条件がそろうと、人は倫理に反する行動をとりやすくなることを示しました。
「人の目」を意識させる工夫
- 休み時間に、教師が教室や廊下を通る回数を増やす
- 掃除の時間は、担当場所を回って声をかける
- PTAや地域の方に、登下校や校内の見守りに協力してもらう
先生方は休み時間も忙しいものです。地域の力を借りることも考えてください。地域での見守りの始め方は、登下校・校内の見守りボランティアの始め方で紹介します。
ネットという「新しい場所」
今は、いじめが起こる場所に「ネット上」が加わりました。SNSや、学校の1人1台端末のチャットは、大人の目が最も届きにくい場所です。ネットいじめへの対応は、ネットいじめと1人1台端末時代の指導で解説します。
出典:荒井隆一『いじめ2.0』第2・11節〜第2・13節、中野信子『ヒトは「いじめ」をやめられない』(小学館新書)
