この記事の3行まとめ
- ミラーニューロンは、相手の行動を見たとき、自分が同じ行動をしたかのように反応すると考えられている神経細胞です。
- この研究は、人が他者の行動や感情から影響を受けやすいことを示唆しています。
- 子どもの世界のいじめは、大人社会を映す鏡です。大人がよい行動を見せることが、いちばんの予防になります。
ミラーニューロンとは
1990年代、サルの脳の研究から、ある神経細胞が見つかりました。自分が物をつかむときだけでなく、他者が物をつかむのを見たときにも反応する神経細胞です。鏡のように反応することから、「ミラーニューロン」と名づけられました。
その後、人の脳でも、似た働きをする仕組みがあると考えられるようになりました。「モノマネ細胞」「共感細胞」と呼ばれることもあります。
何を示唆しているのか
ミラーニューロンの働きについては、今も研究が続いており、わかっていないこともたくさんあります。そのうえで、この研究は次のことを示唆しています。
- 人は、他者の行動を見るだけで、脳の中でその行動をなぞっている
- 相手が笑っていると笑いに、痛がっていると痛みに、共感しやすい
- 人は、まわりの人の行動や感情から、思っている以上に影響を受けている
子どもは、大人の姿をなぞっている
子どもが親や先生の口ぐせ、しぐさ、ものの考え方をまねるのは、多くの人が経験から知っていることです。ミラーニューロンの研究は、その背景にある脳の仕組みの一つを示唆しています。
だとすれば、子どもの世界で起きているいじめも、大人社会の映し鏡だと考えることができます。大人が誰かを笑いものにすれば、子どももそれをなぞります(いじめの原因は大人社会にある)。
大人が見せたい姿
| 見せたくない姿 | 見せたい姿 |
|---|---|
| 人の失敗を笑う | 失敗した人に「大丈夫?」と声をかける |
| 陰で人の悪口を言う | 人のよいところを言葉にする |
| イライラを人にぶつける | 気持ちを言葉で伝える |
| 困っている人を見て見ぬふりをする | 「手伝おうか」と声をかける |
| 「いじめはなくならない」とあきらめる | 「いじめは許さない。守るのは私だ」と行動する |
大人が動けば、子どもは変わる
子どもは時代の縮図であり、社会の未来を映す鏡です。大人が「いじめは絶対に許さない」と本気で行動すれば、その姿を見た子どもたちも変わっていきます。
大人にできる具体的な行動は、登下校・校内の見守りボランティアの始め方で紹介します。
出典:荒井隆一『いじめ2.0』第3・3節。ミラーニューロンの研究は、イタリアのリッツォラッティらによるサルの研究(1990年代)から始まり、人での働きについては研究が続いています。
