第4章 急報

空襲警報解除のサイレン。
町長中嶋、頼んだぞ!
中嶋あかん! 危険や。
和花私も行きます! 子どもたちを助けるんです!

和花高次の火事、どんどん広がってる!
中嶋この調子やと、四戸全部燃えてまうぞ。
和花史実では四戸やった。まだ間に合う!

道の途中で、二人の男の子に出会う。
中嶋大丈夫か! しっかりせえ!

和花しっかり! 返事をしてください!
しかし、二人とも返事をしない。

中嶋なんて可哀そうな、ひどいことをしやがる。
和花これじゃ何にも変わってない。

集団下校中に襲われた子どもたちを、近所の人が連れてくる。
子どもこわいやんか! おばさんは怖くないんか?

おばさん勝手にうちに避難しといてからに。いい加減、自分の家に帰り。お母さんに会いたくないんか?
子ども会いたい!
おばさんほな、さっさと帰り。

子ども僕な、将来絶対に兵隊になるわ。こんなこと許されへん。僕がやり返す。米軍が憎い。
おばさん戦争って…。

一軒の家の前に、近所の人が集まっている。
和花大丈夫ですか!

ご主人が、奥さんの編み笠を抱えて、田んぼから上がってくる。
ご主人残念ですが、しょうがおまへん。

和花こんなこと…あんまりです。私に出来ることって、何だったんでしょうか?
中嶋現実や。まだ終わってへん。まだ出来ることはある。
この漫画は、あらや新さん作の劇『三田空襲を忘れない』(台本)をもとにしたフィクションです。劇中の『グラマン』は劇の表現で、史実の機種は、杉山雅崇さんの調査で P-51 だとわかっています。
劇「三田空襲を忘れない」とは? / 三田空襲とは? / 体験者の証言 / 授業で使うワークシート / 一冊のPDFで読む
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