平和活動 SUNPEACE

【SUNPEACEの活動】ピースラリー2025――戦後80年、高校生・大学生と体験者が三田空襲を語り継いだ日

あらせん(荒井隆一)あらせん (更新 2026年10月30日)
この記事の目次
  1. この動画でわかること
  2. 行事の紹介:ピースラリー2025
  3. 内容の要約・聞きどころ
  4. 動画を見る
  5. 関連記事
  6. 関連ページ

SUNPEACEは、三田空襲を伝える行事を開き、その様子を動画に残してきました。この記事では、2025年12月27日に三田市総合文化センター 郷の音 小ホールで開いた「ピースラリー2025 〜戦後80年、三田空襲を語り継ぐ〜」の記録(約112分)を紹介します。高校生の劇、体験者のお話、大学生と高校生の活動報告、平和ライブと、世代をこえて三田空襲を語り継いだ一日です。

この動画でわかること

  • 三田祥雲館高校演劇部による劇「三田空襲を忘れない」と、演じた高校生たちの思い
  • 5歳のときに空襲にあい、集団下校中のお兄さんを亡くした仲畑直(なかはた・ただし)さんのお話
  • 関西学院大学の学生が、三輪小学校の6年生に三田空襲を伝えた授業のようす
  • 北摂三田高校放送部が、体験者の「生の声」を記録しようと取材を続けていること
  • ちめいど雄介さんとMICHIKOさんによるピースLive

行事の紹介:ピースラリー2025

ピースラリーは、SUNPEACEが2018年から開いてきた、三田空襲を伝えるイベントです。戦後80年となる2025年は、「令和七年三田市協働事業提案制度採択事業」として開き、約300名が参加しました。司会は北摂三田高校放送部の生徒がつとめました。

プログラムは、次のとおりです。

  • 開会あいさつ:SUNPEACE 理事長 大向勲
  • 演劇『三田空襲を忘れない』:三田祥雲館高等学校 演劇部
  • 三田空襲 体験談:仲畑直さん(聞き手 大向勲)
  • 活動報告:関西学院大学 有志
  • 活動報告:北摂三田高等学校 放送部
  • ピースLive:ちめいど雄介&MICHIKO

内容の要約・聞きどころ

開会あいさつ

  • 大向勲理事長は、1か月ほど前に同じ会場で開かれた三田市戦没者追悼式で、三田市遺族会の会長が、広島の平和記念式典での小学生による「平和への誓い」を紹介したことにふれました。「たとえ一つの声でも、学んだ事実を心をこめて伝えれば、変化は起こせる」という呼びかけに感動したといいます(動画 1:20ごろ〜)
  • そのうえで、「思いをこめる」とともに「思いを馳せる」ことを大事にしたいと話し、舞台に立つ一人ひとりの姿や言葉に思いを馳せてほしい、と呼びかけました(2:52ごろ〜)

劇「三田空襲を忘れない」(三田祥雲館高校演劇部)

  • 2025年の学校で平和学習の資料をさがしていた若い先生が、図書室で三田空襲の記録を見つけ、1945年7月19日の三田にタイムスリップしてしまう物語です。先生は集団下校を止めようと必死に訴えますが、だれにも信じてもらえません(4:23ごろ〜)
  • 劇の最後は、現代の教室にもどった先生が、子どもたちに三田空襲のことを伝える場面で終わります(35:09ごろ〜)
  • 上演のあと、出演した3人の高校生へのインタビューがありました。「劇をするまで三田に空襲があったことを知らなかった」「戦争を経験していない自分たちは想像するしかないが、全力で演じた」「防空頭巾をかぶると、なまはんかな気持ちではできないと感じた」などの思いが語られました。事実にもとづく劇は演劇部として初めてで、せりふを書き加えたり、ちめいどさんの曲を使ったりと工夫したそうです(37:21ごろ〜)

劇「三田空襲を忘れない」については、劇の紹介の記事もご覧ください。

三田空襲 体験談:仲畑直さん(聞き手:大向勲理事長)

  • 仲畑直さんは昭和14年生まれで、空襲のときは幼稚園に通っていました。大向理事長が、2025年7月19日の神戸新聞で「下校時の機銃掃射で兄を失った」という仲畑さんの記事を読んだことが、出会うきっかけになりました(43:25ごろ〜)
  • 仲畑さんのお父さんは、昭和18年か19年に出征しました。地区の神社にお参りしたあと、日の丸の旗を持った人たちに見送られて、三田駅まで歩いて行ったそうです(45:12ごろ〜)
  • その日、空襲警報が鳴って下校の指示があり、子どもたちは家へ向かいました。仲畑さんも、中嶋宏次さんたちと同じ列で歩いていました(48:09ごろ〜)
  • 飛行機は、南より少し西の方から、北東に向かって低く飛んできました。6年生の上級生に「入れ」と言われ、仲畑さんは田んぼのそばの小さな水路に伏せました。仲畑さんは道の南側に伏せましたが、7歳年上のお兄さんは道の北側で伏せていて、弾が脇腹をつらぬき、亡くなりました(50:06ごろ〜)
  • 「その様子が、今も頭にこびりついている」と仲畑さんは話しました。大向理事長は「5歳のときの映像です」と、その記憶の重さを会場に伝えました(51:49ごろ〜)
  • 直前に見た劇については、「細かいところまで演技されていて、感銘を受けた」と話しました(52:34ごろ〜)
  • 仲畑さんが用意した、昭和18年に母の実家の前で撮った写真も映されました。いちばん小さな帽子の子が仲畑さん、学生服の子が亡くなったお兄さん、そして前にいるのが、2歳年上の中嶋宏次さんでした(54:52ごろ〜)
  • 4歳年上のお姉さんから聞いた話として、お兄さんは厚さ5センチほどの本を少しずつ読んでいる途中だったこと、お兄さんが亡くなったあと、お母さんが供養として、毎日仏壇の前でその本を読み聞かせていたことが紹介されました。お母さんは、そのことを仲畑さんには話さなかったそうです(58:42ごろ〜)
  • 仲畑さんは、これまでこうした話を人に語ることはなかったといいます(1:01:01ごろ〜)
  • 最後に、「今も世界では戦争があり、日本でも命がたやすく失われる事件や事故がある。安心できる世の中であってほしい」と話し、若い人たちに、社会に出たら世の中のためにがんばってほしい、と願いを伝えました(1:04:13ごろ〜)

仲畑さんのお話は、「仲畑直さんが語る三田空襲」でくわしく紹介しています。

※仲畑さんは、空襲をした飛行機を「グラマン」と話しています。杉山雅崇さんの調査で、三田を襲ったのは硫黄島から飛来した米陸軍のP-51戦闘機だとわかっています。詳しくは「三田空襲とは?」をご覧ください。

活動報告:関西学院大学 有志

  • 関西学院大学のゼミの学生が、三田空襲をテーマに作ったドキュメンタリーを上映しました。SUNPEACEのイベントで学んだあと、伝える側として、三輪小学校の6年生に平和学習の授業をした様子がまとめられています(1:06:52ごろ〜)
  • 映像には、2025年7月19日の追体験ツアーで中嶋さんの歩いた道をたどった場面(中嶋宏次さんの証言の記事)や、体験者の証言の映像も入っています。その中には、志儀喜代美さんが「白いカバンを早く隠せ」と怒鳴られた体験を話す場面もあります(1:14:21ごろ〜、志儀喜代美さんの証言の記事)
  • 授業では、三田空襲がいつ、どこで起きたかを、当時の記録と今の場所を見くらべながら伝えました。銃弾がほとんど横からつらぬいた半鐘を示して、飛行機がとても低いところから攻撃していたことも説明しています(1:15:21ごろ〜)
  • 学生たちは「語り継ぐことは、未来を守ること」と話し、自分たちの町でも空襲があったことを次の世代に伝えていきたい、と結びました(1:18:26ごろ〜)

活動報告:北摂三田高校放送部

  • 放送部は前の年に、三田空襲や高平地区に落ちた戦闘機、そこに残る慰霊碑などを取材して、テレビドキュメント番組を作りました。その制作の中で、SUNPEACEと出会ったそうです(1:19:27ごろ〜)
  • 今は、その続編として、三田市に住む戦争体験者の「生の声」に焦点を当てた番組の取材を進めています。「今しか聞けない生の声を未来に残し、次の世代につないでいく」と話しました(1:20:20ごろ〜)

このピースラリーは、三田市の協働事業としての補助金と、多くの方の寄付で運営されました。運営費を差し引いた分は、遺族会に寄付する予定と案内されました(1:21:55ごろ〜)。

ピースLive:ちめいど雄介&MICHIKO

  • 最初に、シンガーソングライターのMICHIKOさんが、「私の生きる道となった一曲」として「生きて」を歌いました(1:25:06ごろ〜)
  • ちめいど雄介さんは、デビュー曲の「猫背の歌」と「はんぶんこ」を届けました(1:31:37ごろ〜)
  • 続いて、ふりつけのある曲を、会場のみんなと一緒に楽しみました。ちめいどさんが働くデイサービスに通う、ことばで話すことがむずかしい男の子と、グーチョキパーで心が通じ合うことから生まれた曲だそうです(1:36:43ごろ〜)
  • 最後は、MICHIKOさんと一緒に「平和を紡ぐ人」。ちめいどさんは「今日参加された皆さんが、今度は語り部になる。身近な人に三田空襲のことを語り、忘れずに思っておくことが大事」と話し、受け継いだ命を精一杯生きていこうというメッセージをこめて歌いました(1:44:35ごろ〜)

おわりに、この日舞台に立った高校生・大学生と仲畑さんが、もう一度ステージに並びました(1:50:42ごろ〜)。

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あらせん(荒井隆一)
この記事を書いた人 あらせん(荒井隆一)

小学校校長。書家。ことわざの達人。SUNPEACE 理事長、情熱教師塾 塾長。第63回読売教育賞 最優秀賞。著書『いじめ2.0〜新しいいじめとの戦い方〜』。

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